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<弁護士交通事故裁判例>1級3号の27歳男子の付添看護費について,母親が67歳になるまでの14年間は日額8000円,その後の平均余命期間までは日額1万2000円で認めた事例
被害者の症状および母親の介助の状況に照らすと,母親が67歳に達するまでの14年間は,母親が被害者の介護に当たり,1日当たり8000円の介護費が必要であり,その後,被害者の平均余命までの間は職業付添人が介護に当たり,1日当たり1万2000円の介護費が必要であると認めるのが,それぞれ相当である。すなわち,被害者は,胸部以下の自動運転ができず,これに伴い,入浴,排便,衣服の着脱,食事の用意等の介助が必要になっている。もっとも,被害者は,その余の日常生活においては,相当程度は自立して行うことができるもので,現に母親が被害者の介助を行っているのは出勤前と帰宅後の時間帯である。そうすると,介護料としては,前記金額を下らないと認められるものである。
(東京地裁平成17年10月27日判決)
<弁護士交通事故裁判例>1級3号の症状固定時19歳男子の将来の付添看護費用について日額5000円で平均余命まで認定した事例
被害者は,日常生活を相当程度自立して行うことが可能であるから,常時介護までの必要はなく,自宅の掃除,洗濯,買い物,ベッドシーツ交換,ゴミの仕分け,ゴミ出し,導尿管の消毒,摘便用品の消毒等の日常生活の介助があれば足りると考えられる。そして,被害者に自宅改築費を認めることにより,母親による洗濯,掃除,食事等の日常生活の介助が従前に比べてある程度期待できるようになるから介護サービスに依頼する日数が低下し,母親にとっても,洗濯物を運ぶ移動の負担が軽減することから,将来の介護費用としては,日額5000円として,症状固定時から平均余命までの59年間につき認めるのが相当である。加害者側は,介護保険等公的援助が期待できるから,付添介護費は被害者が60歳までに限定すべきと主張するが,被害者が60歳になるまでに公的援助が整備され,付添介護費が不要になることを認めるに足りない。
(名古屋地裁平成17年10月4日判決)
<弁護士交通事故裁判例>1級3号の症状固定時46歳男子の将来の介護費用について,母親による介護が可能な期間は日額8000円,それ以降は日額1万円,被害者の妻が67歳となる年以降は日額1万5000円で認めた事例
被害者が退院した後は,常時介護が必要であり,その介護の労力等は決して軽いものではなく,現実に介護を行っている妻と母親にとって相当な負担となる程度に高度なものと認められる。介護費用の金額については,設備的な手当や訪問看護,入浴サービスなどがあることを考慮すると,日額8000円とするのが相当である。また,自宅における介護は,主に妻が行い,母親が補助しているが,母親が介護を補助できるのは母親が81歳となる平成20年までとする被害者側の主張は合理的であり,平成21年以降の介護は妻一人で行わざるを得ないことを考慮し,平成21年以降の期間は日額1万円とするのが相当である。さらに,将来妻が一般的な就労可能期間の終期である67歳となる平成41年以降は,妻による介護は期待できず,職業介護によらなければならないとの被害者側の主張もまた合理的であり,それ以降の期間の介護費用については,日額1万5000円とするのが相当である。
(大阪地裁平成17年9月27日判決)
<弁護士交通事故裁判例>1級1号の症状固定時59歳男子の将来の付添看護料として,平日は職業付添人日額1万4000円と近親者日額3000円,休日は近親者日額8000円を平均余命期間認めた事例
被害者の介護として,バイタルサインチェック,体位変換,排尿及び排便状況の観察,入浴,清拭,着替え,おむつ交換,食事および飲水介助,リハビリテーションなどが必要となるところ,週6回の職業付添人,週2回の訪問入浴サービスを有料で受けており,その費用は日額2万円以上かかっているほか,ヘルパーの来る週6日についても家族が介護に当たり,ヘルパーの来ない残りの1日は家族で手分けをして介護を担当していることが認められる。これらの事実に鑑みれば,平日は職業付添人と近親者による介護を併用するとして,職業付添人については,日額1万4000円,近親者については日額3000円,休日は近親者による介護でまかなうとして日額8000円,被害者の平均余命にわたり継続するものとして,中間利息年5%をライプニッツ方式で控除すると以下のようになる。
(大阪地裁平成17年9月21日判決)
<弁護士交通事故裁判例>1級1号の79歳男子の付添介護費について入院治療を前提に日額2000円で平均余命まで認めた事例
被害者は,症状固定後も現在まで入院して治療を受けているが,経過観察のみならず,痙攣発作重積および急性循環不全に対する短時間で迅速な医療行為の必要性等のために,将来にわたり,医師の常駐する施設への入院の必要性が認められる。被害者の家族(長男・姉妹)は,ほぼ毎日,1時間から半日程度,被害者に付き添って,被害者に話しかける,テレビを鑑賞させる,車椅子に乗せて移動するなどして,絶えず刺激を与えたり,おむつや下着の着替えを手伝ったりしている。被害者は,症状の悪化防止等のために,家族による付き添いが必要とされ,将来も被害者の症状が改善する見込みはないと考えられることから,平均余命の期間にわたり親族による付添看護を認めるのが相当である。被害者に対する看護の内容およびその程度,将来の付添看護は,基本的には病院側で行われ,被害者の子どもらの付き添いは補助的なものであると考えられること等を併せて勘案すれば,将来の付添看護費の額は,日額2000円とするのが相当である。
(名古屋地裁平成17年8月26日判決)
<弁護士交通事故裁判例>1級3号の17歳女子の将来介護費用について,母親が67歳になるまでは日額1万円,それ以降平均余命までの43年間は日額1万4000円で認めた事例
被害者は,痰の吸引,おむつの交換,リハビリ援助,体位変換,左頭蓋骨欠損部の観察・保護等の常時介護が必要である。
母親が67歳になるまでの24年間は,父親または母親が中心となって近親者が介護することになる可能性が高いと考えられる。被害者に必要な介護の内容・程度および今後の被害者の身体の状況の見通しが不確かであることを考慮するならば,介護費用として日額1万円を認めるのが相当である。
それ以降被害者の平均余命までの43年間は職業介護人による介護が必要となる。被害者らは,訪問看護・訪問介護費として月額57万3360円の見積書を提出するが,介護保険制度の充実に伴い,廉価で広範な介護サービスを受けられるようになる可能性があることに照らせば,介護費用は日額1万4000円と認めるのが相当である。
(大阪地裁平成17年7月27日判決)
<弁護士交通事故裁判例>併合1級の症状固定時20歳女子の将来の付添費として日額1万3000円で平均余命まで認めた事例
被害者は,現在,介助なく食事の摂取や排泄,入浴をすることができ,常時の身体介護は不要であるが,転倒防止等のために絶えず見守りをすることが必要であり,感情の起伏が激しく自傷行為のおそれがあることなどからすると,常時の看視,声掛けが必要であるということができる。現在,介護は両親が行っており,近親者による介護を前提として算定すべきところではあるが,父親はコンビニエンスストアの店長を退職し,現在夜勤によるマンションの管理業務をしながら被害者の介護をし,母親は,看護師として病院に勤務していたが,パートタイム勤務に代わったのであり,いずれも相当な減収が生じていることからすると,通常の近親者介護による付添費では足りないというべきである。被害者に必要な介護の内容・程度・精神的負担の大きさをも考慮すると,付添費としては日額1万3000円,症状固定時である20歳から平均余命である85歳まで認めるのが相当である。
(大阪地裁平成17年7月25被判決)
<弁護士交通事故裁判例>1級3号の21歳男子の将来の介護費用について母親が70歳になるまでは日額8000円,その後平均余命までは日額1万5000円で認めた事例
被害者は,本件事故による後遺障害のために,日常生活における介護を必要とするところ,その後遺障害の内容程度,必要な介護の内容,程度を総合的に勘案すると,被害者の介護に要する費用は,家族による介護については1日当たり8000円,職業介護人による介護については1日当たり1万5000円と認めるのが相当である。
(さいたま地裁平成17年6月17日判決)
<弁護士交通事故裁判例>1級3号の症状固定時33歳男子の介護費用について平均余命46年間にわたり日額1万5000円で認めた事例
被害者の症状の内容および重さからすれば,呼吸管理も含めた介護が生涯にわたって必要であること,被害者は症状固定時33歳であり,平均余命が46歳であること,被害者は本件事故後に婚姻したが,若い妻にとって後遺障害を抱える同人との生活および日々の介護は心身ともに多大な負担を強いられること等が認められる。これらの諸事実からすると,被害者の近親者が中心となって介護を行い続けることは困難であり,介護費用を算定するにあたっては,職業介護者を依頼することを原則とし,近親者が可能な範囲でその補助をすることを前提とするのが相当である。介護の負担は,損害として認められる電動車いす,自宅改造,多数の機器類により,相当軽減されると考えられる。上記事情に加え,被害者において現在まで職業介護人の代金も全て自己負担がないと認められることおよび将来の付添費について本件では生活費控除を行わないことに鑑みると,付添費としては日額1万5000円と認めるのが相当である。
(名古屋地裁平成17年5月17日判決)
<弁護士交通事故裁判例>1級3号の42歳男子の将来の介護料につき,妻が67歳になるまでは日額1万5000円,それ以降は日額2万0800円で平均余命まで認めた事例
症状固定後妻が67歳になるまでの24年間
主たる近親介護者の分9000円のほかに,補助的介護者の分として職業的介護費用を前提に日額6000円を請求するのは相当である。
それ以降,被害者の平均余命まで
主たる介護者は職業的付添人を付するのが相当であり,妻の介護状況に照らせば1日当たり15時間を認めるのが相当である。現時点における単価としては3時間半以上で既に2万円以上を要するというものであるが,将来においては介護市場の拡大および20年余りも将来の問題であることも総合考慮して,本件事故と相当因果関係のある介護費用単価は,上記の80%に相当する日額1万6000円を基礎とするのが相当である。また,補助介護者の現時点における介護費用単価としては,日額6000円を認めるのが相当であるが,将来における介護単価の見通しはいまだ不確定な要素が多々あることを考慮すると,上記の80%に相当する日額4800円を基礎とするのが相当である。
(大阪地裁平成17年3月25日判決)