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<弁護士交通事故裁判例>インプラント治療費について中間利息を控除して認めた事例
本件事故による八歯欠損の治療方法としては被害者が20歳ころにインプラント治療をするのが相当であると認められる。証拠によると、当初、インプラントの治療費として519万7500円を要する見込みであったが、治療費の値上がりにより、現在では559万6500円を要する見込みとなっていることが認められる。被害者が22歳となった現時点においてもインプラント治療を行っていないので、現時点では治療費として559万6500円を要するものと認められるが、症状固定後の治療費であり、症状固定日から4年を経過しているので、その間の中間利息を控除するのが相当である。年5分の割合による4年のライプニッツ係数は0.82270247であるから、将来治療費は460万4254円である。
(東京地裁平成22年7月22日判決)
<弁護士交通事故裁判例>症状固定後の治療費を平均余命まで認めた事例
被害者の症状固定日後の医療関係費は平均して月額5万7000円を下らない。被害者の症状固定日から平均余命までの医療関係費は、以下のとおり、1301万5699円とするのが妥当である。
これに対し、加害者側は、仙台市の公的補助の制度があり、またカルテでは治療費は全額免除との記載があるとして、被害者側の主張する医療関係費をそのまま被害額として認定するべきではない旨主張する。しかしながら、将来の公的給付の受給はあくまでも可能性にとどまり、将来にわたって確定的に受けられるか否かは明らかではない。むしろ、月額5万7000円という額自体も、平成21年2月~同4の医療関係費の平均額(約6万7000円)に照らすと、すでに抑制的な金額であるともいうべきであって、いずれにせよ、加害者側の主張は、上記の認定を左右しない。
(仙台地裁平成21年11月17日判決)
<弁護士交通事故裁判例>症状固定後の入院及びリハビリ費用を認めた事例
被害者は、症状固定後もリハビリステーション病院への入院を続けており、平成19年9月、介護老人施設であるAセンターへ入所し、現在も同所で生活していることが認められる。被害者の後遺障害の状況等に鑑みると、介護なしでの単身生活は困難であり、施設での生活を余儀なくされるものと認められるから、リハビリステーション病院やAセンターでの施設費用は、本件事故と相当因果関係のある損害と認められる。証拠によれば、症状固定日から平成19年4月末日までのリハビリステーション病院の施設費用が286万9887円、平成19年5月より同9の施設費が91万80円(前6月分の平均施設費18万2016円)、症状固定日から平成19年9月末までの日常生活サービス料が37万7370円、Aセンターでの平成19年10月から平成20年4月までの施設費用が35万7602円となる。
(東京地裁平成21年8月26日判決)
<弁護士交通事故裁判例>将来治療費及び入院雑費等を平均余命まで認めた事例
被害者は、自宅介護を強く望んでいるが、被害者の現在の症状に鑑みると、自宅介護とした場合には感染症や合併症等の危険性が増大することは否定できないし、誤嚥等を起こした場合に必要となる迅速的確な処置も病院介護に比べて実現できない危険性が高いから、現段階においては病院介護を選択するのが相当である。被害者の将来治療費は、これまでと同様、月額平均9万円を平均余命まで認めるのが相当である。
被害者の介護については病院介護は相当と認められるから日額1300円で平均余命に相当する入院雑費を認めるべきである。
被害者は本件事故直後から四肢麻痺の状態が続き、今後もその症状は継続することが予想されるから月額9000円で平均余命に相当するオムツ代を認めるべきである。
(大阪地裁平成21年6月30日判決)
<弁護士交通事故裁判例>将来の人工関節手術費用を認めた事例
被害者の、膝関節については、被害者が50歳になるころに変形関節症の治療として、人口(膝)関節置換術を行う必要性を生じる蓋然性を認めることができる。人口膝関節の耐久年数は約20年と考えるのが相当であることおよび被害者の平均余命(約77歳)とを併せて考慮すると、人工関節置換術は被害者が50歳となるころおよび70歳になるころに必要となるものとして、その費用を、症状固定時を基準として、ライプニッツ係数によって現在価値に評価すべきである。
(1)1回当たりの費用15万円
(2)症状固定時の年齢30歳
(3)1回目の手術費用(現在価値)
(4)2回目の手術費用(現在価値)
(大阪地裁平成18年1月19日判決)
<弁護士交通事故裁判例>症状固定後3年間の治療費を認めた事例
被害者は、後遺障害診断書においても、1週間に1度程度のブロック注射が必要との診断もなされていること、被害者は復学し、アルバイト等をしながら、症状固定後も、症状が強いときに、継続して神経ブロックの治療を受けていることが認められ、症状固定後も、一定の期間については、症状が強いときにその緩和のため、神経ブロック等の治療が必要であったと認めるのが相当である。他方で、このような治療も一時的に症状を緩和させるにすぎず、根本的に症状を改善させるものではないこと、胸郭出口症候群の症状については、交通事故による補償問題という心理的負荷等の心因的要因の影響も考えられるところ、同様に神経症状についても心因的な影響があるものと推認されること、ブロック注射のような麻酔治療を長期的に継続することの必要性・相当性等に関する医師の確たる所見も提出されていないことなども総合考慮すると症状固定から約3年後である平成14年8月末日までの治療の限度で、本件事故と相当因果関係のあるものと認めるのが相当である。
(東京地裁平成16年12月21日判決)
<弁護士交通事故裁判例>平均余命まで10年ごとに義歯製作費を認めた事例
被害者は、義歯製作費として、将来にわたり、おおむね10年ごとに、少なくとも、110万円(自由診療による製作費である。)の80%に当たる88万円の支出を要する蓋然性が強いものと認められる。加害者側は、保険診療を前提として義歯製作費を算定すべきことを主張するが、保険診療については、補綴に使用する材料を始めとして治療内容に制約があることは公知の事実であり、自由診療により義歯を製作する費用は、事故と相当因果関係のある損害というべきである。そして、被害者は歯科の治療が終了したときは22歳であり、22歳男子の平均余命は55.94年である。したがってライプニッツ方式により中間利息を控除し、被害者の将来の義歯製作費の現価を算出すると127万7056円となる。
(東京地裁平成14年1月15日判決)
<弁護士交通事故裁判例>定期的な医師の往診や看護婦の訪問看護を認めた事例
被害者は、身体の硬直化を防ぐための電気治療、常時尿道に入れているバルーンの交換、洗浄等のため、定期的な意思の往診あるいは看護婦の訪問介護が不可欠であることが認められ、その費用は被害者ら主張とおり155万2699円を要することが認められる。
(大阪地裁平成12年8月30日判決)
<弁護士交通事故裁判例>症状固定後22年間にわたり将来の治療費を認めた事例
医師は、被害者につき、痴呆症状は今後も改善の見込みはなく、これに対する向精神薬、抗てんかん剤の投与と入院による徘徊の危険防止の必要性があり、入院を要する期間の見込みは不詳であり、入院に要する費用のうち被害者の負担分は月額3万5400円であること等の事実が認められ、被害者は症状固定後、平均余命の22年間にわたり、治療の必要があり、そのために月額3万5400円を必要とする蓋然性を認めることができる。
被害者は、少々固定後も22年間にわたり、入院の必要が認められ、右期間中1日当たり1000円の雑費を必要とする蓋然性を認めることができる。
被害者は、症状固定後22年間にわたり、入院治療の必要が認められ、面会に近親者が訪れた回数は平成6年に115回、平成7年は98回であったことにより、症状固定後22年間にわたり、介護の必要が認められ、付添介護費としては、右期間につき年額50万円をもって相当と解される。
(大阪地裁平成10年4月17日判決)
<弁護士交通事故裁判例>右上腕の醜状痕につき後遺障害の慰謝料を認めた事例
被害者には、右上腕に長さ14センチメートル、幅1.5ないし3センチメートルにわたる瘢痕とそのうち長さ4.5センチメートル、幅3センチメートルの暗紫色のケロイド状醜状痕及び知覚異常が残った。被害者は瘢痕形成術を希望し、その手術代は70万円と見積もられる。しかし、右形成術を行っても、どの程度回復するかを知る確たる証拠はなく、担当医師が将来の手術が必要とまでは述べていないことに鑑みれば将来の手術の必要性を認めるのは困難である。むしろ、この瘢痕は固定した後遺障害と認め、慰謝料として考慮するのが相当である。右醜状痕の程度、被害者は瘢痕を隠すために夏期でも長袖を着用していること、将来において手術費用を出費すべき不安感等の一切の事情を斟酌すると、右醜状痕に対する慰謝料としては60万円が相当である。
(但し、最終的には被害者に20%の過失相殺を課している)
(東京地裁平成6年11月8日判決)
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