<弁護士交通事故裁判例>症状固定後3年間の治療費を認めた事例

2016-12-13

被害者は、後遺障害診断書においても、1週間に1度程度のブロック注射が必要との診断もなされていること、被害者は復学し、アルバイト等をしながら、症状固定後も、症状が強いときに、継続して神経ブロックの治療を受けていることが認められ、症状固定後も、一定の期間については、症状が強いときにその緩和のため、神経ブロック等の治療が必要であったと認めるのが相当である。他方で、このような治療も一時的に症状を緩和させるにすぎず、根本的に症状を改善させるものではないこと、胸郭出口症候群の症状については、交通事故による補償問題という心理的負荷等の心因的要因の影響も考えられるところ、同様に神経症状についても心因的な影響があるものと推認されること、ブロック注射のような麻酔治療を長期的に継続することの必要性・相当性等に関する医師の確たる所見も提出されていないことなども総合考慮すると症状固定から約3年後である平成14年8月末日までの治療の限度で、本件事故と相当因果関係のあるものと認めるのが相当である。

(東京地裁平成16年12月21日判決)

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