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<弁護士交通事故裁判例>労災特別介護施設に入居している1級3号の52歳男子の将来付添介護費について日額1万6500円で平均余命分を認めた事例

2016-05-26

 被害者において,食事や車椅子による自走等こそ可能であるが,その余の日常生活動作全般にわたって常時介護を要する状態にあり,介護の程度や負担は相当重く,相応の介護費用を見込まざるを得ないといえる。被害者は,現在,労災介護施設に入居しており,今後も相当期間はこうした介護状況に変化ないものとみて良く,付添介護費を含め,将来介護に要する諸費用の算定に当たっては,現状の施設介護を前提とすべきであるが,度々入居費等の支払額が増しており,今後も同様の負担増を余儀なくされる事態は想定し得,現時点での介護に関する諸費用に一定の加算をした額を基準とすることが望ましい。そこで,被害者において,入居費月額36万2590円,ヘルパー代4万6200円,口腔ケア1000円の合計40万9790円(日額1万3659円)を負担していることから,約20%増しの日額1万6500円を付添介護費の単価とする。その上で,症状固定時における平均余命28年につき,同年数相当のライプニッツ係数により中間利息を控除する。
(大阪地裁平成19年7月26日判決)

<弁護士交通事故裁判例>1級1号の69歳男子の家族介護費を日額1万円で平均余命まで認めた事例

2016-05-25

 被害者は,症状固定後も終生,それ以前と同様に日常生活すべてにわたる介護を要し,妻らにおいて,起床から就寝まで介護および病院への通院付添いに専念することが必要である。また,福祉制度等の充実により,介護の負担が軽減する可能性もある反面,被害者の体調次第では,職業付添人による介護の必要が生じることも十分に考えられるところである。そうすると,本件事故と相当因果関係のある症状固定から終生要する家族介護費は,1日当たり1万円と認めるのが相当である。被害者は,本件事故当時68歳である。68歳男子の平均余命は15.83年であって,本件事故から約1年後に症状が固定したから,ライプニッツ係数により年5分の割合による中間利息を控除して,症状固定時から終生必要とする家族介護費の本件事故当時の現価を求める。
(神戸地裁平成19年6月28日判決)

<弁護士交通事故裁判例>遷延性意識障害の症状固定時22歳女子の将来介護費について日額1万8000円で認めた事例

2016-05-24

 被害者は,遷延性意識障害,四肢麻痺等の後遺障害が残存し,常時介護が必要な状態にあること,症状固定後,平成16年11月9日までは療養センターに入院し,その後は自宅において母親により介護されていること等が認められる。本件事故と相当因果関係のある将来介護費等は,介護費として,症状固定後入院していた4年間につき1日6500円を,自宅において介護を受け始め母親が67歳になるまでの期間につき1日1万円を,それ以降の期間につき1日1万8000円を基礎とするとともに,雑費として,入院していた4年間につき1日1500円を,それ以降の期間につき1月2万7000円を基礎として認めるのが相当である。
(東京地裁平成19年5月30日判決)

<弁護士交通事故裁判例>1級3号の21歳女子の将来介護費用について母親が67歳に達するまで日額1万5000円,それ以降を日額1万8000円で平均余命まで認めた事例

2016-05-23

 被害者は,意思疎通や自らの意思に基づく動作がほとんどできない状態であり,定期的に痙攣発作も起こしており,常時の介護を要するものと認められる。将来介護費としては,自宅介護開始から母親が67歳に達するまでは日額1万5000円,それ以降,被害者の平均余命までは,母親による介護は困難となるから職業介護人による介護を前提として日額1万8000円を認めるのが相当である。また,現在,1週間に3回訪問看護を受けているが,訪問看護料としては月額1万5000円の限度で相当と認める。
(大阪地裁平成19年2月21日判決)

<弁護士交通事故裁判例>高次脳機能障害の67歳女子の将来の介護料について日額1万円で平均余命まで認定した事例

2016-05-19

 被害者の高次脳機能障害の程度は高度ではあるが,全面的に介護を要する状態であるとはいえない。もっとも,具体的な介護の状況については,身の回りの処理動作に関しては声掛けを要する程度であるにしても,外出には必ず付添が必要な状態であり,感情の起伏や感情的な言動,易刺激性等の情緒面の障害も少なからず認められるほか,夜間もすぐに目が覚めるなど,介護者にとって肉体的,精神的な負担は決して軽いものとはいえない。さらに,夫は,現在67歳であり,左膝関節炎等の持病を有していること,長男は身体障碍2級であり,二男はうつ病を患っていることより,将来,職業人介護者の援助を要する状態であるといえる。介護保険制度が一定程度なされていることを踏まえても,1日当たり1万円とする主張は高額に過ぎるとまでは言い難い。
(東京地裁平成19年2月14日判決)

<弁護士交通事故裁判例>併合1級の症状固定時65歳女子の将来の介護費について,平均余命まで入院費も含めて日額9000円で認めた事例

2016-05-16

 被害者は,本件事故により生じた高次脳機能障害および手指の巧緻性の欠如から,起床,更衣,ふらつきのない独歩,食事の準備・後片付け,排便排尿の際の後始末,服薬管理,金銭管理,入浴,洗髪洗身などの後遺を1人で行うことは困難であることや廃用性症候群による症状の進行を防ぐために,日常生活全般にわたって周囲の指示ないし看視が不可欠であり,常時被害者を見守り,状況に応じた適切な指示を行う介護が必要であると認められる。被害者側は息子の家で生活することを前提として将来の付添介護費を請求するが,被害者の後遺障害の内容・程度のほか,本件事故後,被害者を一度も息子の家に連れて行っていないことをも考慮すると,被害者が退院後,息子の家になじんで適切な介護の下で日常生活を送ることは現実的に困難であり,今後も入院しながら,週数日間自宅に戻るという生活を続けることを前提として定めるのが相当である。将来の介護費としては,入院費も含め,日額9000円を認めるのが相当であり,被害者の常時介護は,症状固定時から平均余命までの23年間必要となる。
(大阪地裁平成18年6月26日判決)

<弁護士交通事故裁判例>高次脳機能障害の症状固定時44歳女子の将来の介護費用について,平均余命である42年間,日額5000円で認めた事例

2016-05-13

 被害者の後遺症は高次脳機能障害に由来するものであり,人格変化,記銘力障害,遂行能力の低下ならびに社会適応の障害等が肯定され,てんかん発作が現れた経験もあることからすると,少なくとも日常生活における随時の付添介護はその必要性が認められるというべきである。また被害者の症状からすると,上記介護の態様は,肉体的な介添えではなく,看視,声掛けの類であると認められる。上記態様における介護は,主として被害者の夫をはじめとする近親者介護によって行わざるを得ないものと考えられ,またそれが相当と考えられるが,これに要する介護費用の損害は,日額5000円,その期間は症状固定時の被害者の平均余命である42年とすべきである。
(神戸地裁平成18年6月16日判決)

<弁護士交通事故裁判例>1級3号の57歳女子の将来の付添費として当初の8年間を日額7000円,その後の20年間を日額1万2000円で認めた事例

2016-05-11

 被害者は現時点においては夫の近親者介護を受けており,職業介護人に付されていないと認められる。被害者の症状固定時において夫が64歳であることからすると,同人による介護が期待できるのは症状固定日から長くとも8年と認めるのが相当であり,その後の20年は職業付添人による介護を行わざるを得ないと認められる。被害者については現在介護保険と障害者認定に基づく公的給付の申請中であり,将来公的介護による介護費用の負担軽減もないとはいえないと認められ,このことをも勘案すると,当初8年の近親者介護期間については日額7000円,その後の20年については日額1万2000円とし,ライプニッツ係数を適用して認めるのが相当である。
(神戸地裁平成18年3月17日判決)

<弁護士交通事故裁判例>1級該当の不法滞在中の韓国籍43歳男子の将来付添費について日額8000円で認めた事例

2016-05-09

 被害者は,韓国籍を有する外国人であるところ,平成10年10月短期滞在資格(15日)で本邦に上陸した後,在留期間経過後,1度も更新を受けないまま本件事故までの間稼働しながら不法滞在を継続していたが,本件事故のため遷延性意識障害などの極めて重篤な障害を被ったため,妹がマンションを借り上げた上引き取り,娘および妹の交代による介護を継続し,妹の夫を成年後見人に選任し,その後在留特別許可を得たことが認められる。そうすると,被害者の退院後から将来の看護費については本件事故後に生じた事情ではあるが,後遺障害の内容およびこれに対し必要な介護の程度を勘案するときには,上記在留特別許可が得られていることからすれば基本的に本邦における近親者介護基準額である1日当たり8000円を採用せざるを得ない。
(大阪地裁平成17年11月30日判決)

<弁護士交通事故裁判例>高次脳機能障害の症状固定時43歳女子の介護料について随時看視および声掛けを要するものとして平均余命にわたり日額8000円で認めた事例

2016-05-06

 症状固定後も被害者に高次脳機能障害が残存しており,これによる同人の状態を考えれば,同人には,症状固定後も,随時,いわゆる看視および声掛けの方法による介護が必要な状態にあると認められる。そして,現在,被害者の近親者が,同人の介護をしているが,そのため,夫は経営する広告代理店からの収入が激減していること,被害者の両親は高齢であり,子どもらも就学期にあることを考慮すると,職業介護人に介護を依頼せざるを得ない状況にあると認められる。これらの事情を考慮すると,介護に必要な費用は1日当たり8000円と認めるのが相当である。
(東京地裁八王子支部平成17年11月16日判決)

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