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<弁護士交通事故裁判例>会社経営者の休業損害につき、業務遂行上の支障の程度は7割であり、給与のうちの労働の対価としての性質を有する部分は5割であるとして算定した事例

2018-07-18

生活態様:夫経営の病院の税金対策のための会社を経営
     同病院に対する医薬品等の納入や給食、掃除、診療報酬請求等の経理事務が
     主たる業務
     薬剤師資格を有する被害者がその経営および業務全般を取りしきっていた。

算定基礎:年収¥9,000,000
   
     H3の給与¥18,000,000のうち労働の対価としての性質を有する
     部分は5割と認めるのが相当
 
休業日数:20日
     
     26日間の入院期間のうち休業を余儀なくされたと認めるべき期間は20
     日間程度
     しかも、その間に生じたと認めるべき業務遂行上の支障の程度は7割と認め
     るのが相当

認容額 :¥345,205
     
      (神戸地裁 平成7年2月28日判決)

<弁護士交通事故裁判例>建設会社の代表取締役の休業損害について,所得のうち,役員としての稼働の対価分を70%とした事例

2018-07-17

生活態様:資本金¥4,000,000の土木工事・建築工事の設計・請負・施行等を
     業とする会社の代表取締役
     従業員は正社員が約7名,日雇いが約70名

算定基礎:月収¥1,050,000
   
     本件事故前3ヶ月の月収¥1,500,000のうち,稼働の対価分は,
     その7割である¥1,050,000と見るのが相当である。
 
休業日数:41日
     
     被害者が休業したと主張するH4.2.12までのうち,事故から3週間
     は労働能力を完全に喪失していたが,その後は現実に通院した日数の2倍
     である20日間は労働能力を喪失していたものの,それ以外は稼働が可能
     であったと認めるのが相当である。

認容額 :¥1,435,000
     
      (大阪地裁 平成6年5月12日判決)

<弁護士交通事故裁判例>会社代表取締役について,個人会社で職務内容も肉体労働が多いことなどを理由として,役員報酬全額を労務提供の対価とした事例

2018-07-13

生活態様:建物解体工事・建材卸業等を主たる営業目的とする会社の代表取締役で,
役員報酬として月額¥1,000,000の支給を受けていた。

算定基礎:月額¥1,000,000
   
     会社は被害者の個人会社であり,被害者の職務内容も,受注の際の見積
     のほか,ダンプ・重機の運転および土砂・廃材等の積み降ろし等の肉体
     作業が多く,右役員報酬はその全額が労務提供の対価と見るべき。
 
休業日数:3か月間(H2.6.9~H2.8.31)
     
     本件事件との相当因果関係のある就労不能期間はH2.6.9より
     H2.8.31までの3か月間である。(被害者主張は6カ月間)

認容額 :¥3,000,000
     
     なお,被害者側の主張する会社の損害については,被害者に実権が集中
     していたことは認めるが,事故当時,従業員(8~9名)に対し被害者
     が仕事の指示をしていたこと,また被害者の就労不能と相当因果関係の
     ある業務受注不能分の代金額ないしはその割合を認定することはできな
     いとして不認

      (千葉地裁 平成6年2月22日判決)

<弁護士交通事故裁判例>大卒1級建築士の会社代表取締役について,被害者主張の月額給与¥1,000,000は信用し難いとし,賃金センサス大卒男子30~34歳平均給与額を基礎とした事例

2018-07-02

生活態様:大学の建築学科を卒業後,宅地建物取引主任者,1級建築士等の資格を取得
     し,S60年に建築の設計,監理および土地の売買とその仲介を業とする
     会社を設立し,事業を営んでいた。

算定基礎:年収¥4,677,700
     (S60賃金センサス企業規模計大卒男子30~34歳平均給与額)
     
     被害者主張の月額給与¥1,000,000について,決算報告書,源泉
     徴収票に記載はあるものの,被害者のいわゆる1人会社であること,
     S62.6~63.5の決算期に¥44,000,000余の欠損を出し
     たと税務申告をしていることに照らすと,被害者の主張は容易に信用し難い
     として採用せず。

休業日数:S63.9.30~H1.6.30は274日間休業
     H1.7.1~H2.3.26は241日間労働能力が半減

認容額 :¥5,055,759

      (大阪地裁 平成5年5月31日判決)

<弁護士交通事故裁判例>代表取締役の就労制限期間中も給与を支払っていた会社は、就労制限部分に対応する限度で損害賠償請求権を代位取得するとした事例

2018-06-07

生活態様:資本金¥12,000,000の、土地および中古住宅の売買の仲介、建物
     の賃貸を業とする会社の代表取締役で、主な仕事は土地の調査、買収交渉、
     官庁等との協議、事務所内での書類決済であったもの

算定基礎:年収¥8,160,000
     会社規模、被害者の業務内容、また給料が事故後のS59.4に
     ¥12,000,000に昇給していること等から、S58の年収
     ¥12,000,000のうち取締役報酬分を除いた8割程度が労働の対価
     たる性質をもつ賃金分である。

休業日数:S58.11.5~11.30は100%、
     S58.12.1~S59.4.30まで
     は60%、S59.5.1~7.31までは20%の就労制限があったもの

認容額 :¥3,037,333
     就労制限期間中も給料を支払っていた会社は、民法422条または同法
     702条の類推適用により、被害者の加害者に対する損害賠償請求権を就労
     制限部分に対応する限度で代位取得すると解するのが相当である。

      (大阪地裁 昭和62年6月23日判決)

<弁護士交通事故裁判例>併合12級女子の休業損害について賃金センサス女性・学歴計平均賃金をもとに認めた事例

2018-06-06

生活態様:夫および長男と同居し、家事全般を担当とするとともに事務の仕事をパートタイマーとして1日6時間、週5日就労していた。

算定基礎:年額¥3,459,400(平成22年賃金センサス女性・産業計・企業計・学歴計平均賃金)

休業日数:505.4日
     被害者の労働能力喪失率は平成23年3月末までの307日間は100%、平成23年11月末までの244日間は60%、平成24年8月16日までの
     260日間は20%と認めるのが相当である。

認容額: ¥4,790,084

     (名古屋地裁 平成27年6月26日判決)

<弁護士交通事故裁判例>症状固定時41歳女子の休業損害について、賃金センサスで一括評価するのが相当であるとした事例

2018-06-04

生活態様:本件事故当時、主婦であり、かつ、パート労働者として勤務していた。自宅で義母を介護していたが、本件事故により義母を介護施設に短期入所させざる
     をえなくなった。

算定基礎:年額¥3,459,400(平成22年賃金センサス女性労働者学歴計)

休業日数:133.2日
     本件事故により、平成22年3月12日から平成22年5月20日までの70日間は、パート労働、家事労働および介護が全くできなかったことから
     100%労働能力を喪失していたということができる。その後、症状固定日までの316日間においても、平均して20%の可動制限があったものと
     みるべきである。

認容額: ¥1,262,444

      (横浜地裁 平成25年6月28日判決)

<弁護士交通事故裁判例>ピアノ講師の休業損害について1週間のうちピアノ講師として就労する日数を控除して算定した事例

2018-05-29

生活態様:4人世帯の主婦として家事労働に従事するとともに、ピアノ講師として週3日の割合で就労。

算定基礎:年収¥4,233,642
     ピアノ教室での就労は1回あたり半日分とみることとして、1週間のうち1.5日分は家事労働に従事できないこととし、これに相当する分は賃金センサ     ス(平成13年女子45~49歳平均賃金)に基づく基礎収入から減算して、ピアノ教室での給与を加算することとするのが相当である。

休業日数:392日

認容額: ¥4,546,815

     (名古屋地裁 平成18年12月15日判決)

<弁護士交通事故裁判例>有職の主婦につき、家事労働に支障を来したとして休業損害が認められた事例

2018-05-25

生活態様:夫、夫の母および祖母と同居していて、自ら家事を行っていた有職の主婦。本件事故後、給与自体は減額されなかったが、当初は家事ができず、5月ころ
     から家事を行うようになったことが認められる。
 

算定基礎:¥3,522,400(平成13年賃金センサス女性労働者学歴系全年齢平均年収)

休業日数:80日(実治療日数)
     加害者は、治療の相当性を争ったが、裁判所は通院状況等に照らし、被害者の主張を相当と認めた。

認容額: ¥733,600

     (東京地裁平成17年2月23日判決)

<弁護士交通事故裁判例>3年間通院した女子の休業損害について事故後1か月は全日休業、その後は事故後2年の実通院日数の半分を休業していると認めた事例

2018-05-23

生活態様:息子と2人暮らしであり、家事労働を行っていたと推認されるが、他方で、不動産仲介業を営んでいたもののその収入は平均賃金以下であることが認めら     れる。

算定基礎:月収¥282,800
     55歳女子労働者の平均賃金

休業日数:被害者は、平成15年10月9日まで通院したが、平成14年10月15日には症状固定したものと考えるのが相当である。被害者の症状はつまるところ     むち打ちにすぎず、その訴える症状は終始頸部痛ないし頭痛であり、全く就労できない程度に達していたとは認めることができないし、通院も早朝ないし     夕方遅い時間帯であったことがカルテ上明らかであるから、本件事故から1か月分は全日休業することも認めるも、その後は通院実日数の半分を休業して     いたと認めるのが相当である。

認容額: ¥2,455,139

      (大阪地裁 平成16年8月27日判決)

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