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<弁護士交通事故裁判例>脳脊髄液減少症の将来の治療費を認めた事例
被害者が,脳脊髄液減少症を発症したと確定的に認めることまではできないものの,A病院において起立性頭痛であると診断されていること,厚生省中間報告基準における参考書兼が複数見られること,ブラッドパッチが一定程度効果があったことからすると,被害者について,脳脊髄液減少症の疑いが相当程度あるということができる。治療関係費は,症状固定までの分については,本件事故と相当因果関係のある損害と認められるが,既に認定した被害者の症状や治療経過からすると,脳脊髄液減少症の治療関係費に限っては,症状固定日以降のものについても,将来の治療費として認めることが相当である。
(横浜地裁平成24年7月31日判決)
<弁護士交通事故裁判例>症状固定後の入院治療費を損害と認めた事例
被害者は本件事故の後遺症により,意思疎通が困難であり,日常生活には全介助を要すること,食事は経管栄養によらざるを得なかったこと,自律的な排泄が困難であり,免疫力の低下等により感染症をひきおこしやすい状況であること,被害者の体の拘縮を防ぐためにはリハビリテーションが欠かせない状態であったこと,在宅介護への移行のため,自宅の改修や導尿や経管栄養の技術を家族が習得する必要があったことからすれば,症状固定後も被害者の症状悪化を防ぐため,若しくは在宅介護へと移行する準備として,入院治療が必要であったことが認められ,症状固定日以降の治療費468万円も本件事故との間に相当因果関係を認めることができる。
(さいたま地裁平成21年2月25日判決)
<弁護士交通事故裁判例>個室利用料の50%のみ認めた事例
被害者は,入院の全期間にわたって個室を使用したところ,被害者の年齢や受傷内容等に照らせば,個室使用の必要性があったとは言い難いことや,証拠によれば,被害者の個室使用の必要性があったとはいい難いことや,証拠によれば,被害者の個室使用理由について,B病院の医師は,精神的にも不安定であり個室になったとし,C病院の医師も,リハビリおよび介護等の問題のためとしているにすぎないことが認められることなどに照らせば,多分に被害者側の心因的要因等の事情が影響しているものと考えざるを得ないのであり,本件事故と相当因果関係のある個室使用料は50%と認めるのが相当である。
(大阪地裁平成26年3月25日判決)
<弁護士交通事故裁判例>個室使用料を損害と認めた事例
加害者側は,個室使用料については,医療上個室利用の必要性が認められないなどと主張するけれども,証拠によれば,入院期間中,被害者は,体温調節の必要があったほか,摘便等も必要とする症状であったことが認められ,これらの事情に照らせば,個室使用料も本件事故との相当因果関係を肯認できる。
(東京地裁平成21年12月4日判決)
<弁護士交通事故裁判例>医師の指示のない整骨院費を損害と認めた事例
加害者側は,接骨院,鍼灸整骨院における施術については,医師の指示もなく本件事故との因果関係は認められない旨主張するが,被害者は,本人尋問において,本件事故後仕事に復帰してからも,終業後首の痛みがひどくなることがあり,そのようなときは接骨院で施術を受けていた旨供述していることからすると,接骨院における施術について医師の指示はなかったものの,一定の効果はあり,一応の必要性はあったものというべきであり,損害として認めることができる。
(神戸地裁平成26年8月20日判決)
<弁護士交通事故裁判例>医師の指示のない整骨院施術の80%を認めた事例
被害者は,本件事故後からF大病院整形外科で加療を受けていたところ,同科の医師により,「接骨院への紹介は書けない」旨説明したっ実が認められるが,証拠によれば,保存療法が望ましい旨の判断を行い,運動療法によるリハビリの必要性を認めていたこと,診療録には,接骨院でマイクロウェーブ,近医の整形外科で筋力訓練,可動域訓練中である旨の記載があり,これら訓練の医学的な必要性自体は否定できないものであること,保存療法が必要と判断し,K病院を紹介し,K病院でリハビリを行っていること,K病院でのリハビリの頻度は,整骨院でのリハビリの頻度とほぼ同程度で整骨院での施術により疼痛および可動域がやや改善したことが認められる。以上を踏まえれば,整骨院における施術には,医師の指示はないが,一定の医学的必要,効果があったものと認められ,その施術料の80%の限度で治療の必要性,相当性があるものと考える。
(京都地裁平成23年5月10日判決)
<弁護士交通事故裁判例>遠隔地の病院での治療の必要性を認めた事例
被害者は,右腕神経損傷により,肩から指先までの右腕を全く使うことができない状態となったため,できる限り,元の状態に戻す治療方法を探し,その中で,A病院(山口県)が肩肘だけではなく,手指の機能再建治療まで行っていることを知ったこと,被害者が調査した中では,手指の機能再建の治療まで行っている病院は関東地方になかったこと,同病院で治療を受けた結果,肘が胸のところにまで上がるようになり,また,指を少し動かせるようになったため,買い物をした際に袋等を右手にひっかけて左手を自由にすることができるようになるなど,一定の効果があったことが認められる。これらの事実に照らすと,A病院での治療の必要性があったと認められる。病院の治療費全額を損害と認める。
(横浜地裁平成25年3月26日判決)
<弁護士交通事故裁判例>産婦人科の治療を損害と認めた事例
事故当時被害者は妊娠3か月という時期であり,本件事故後に異常を訴えていた以上,整形外科のみならず,産婦人科においても,その経過を観察し,必要に応じた治療をする必要があったものと認められる。そうであれば,そのための診療および治療もまた,必要な限度については,本件事故と相当因果関係のあるものと認めることが相当である。そして,前記認定事実に照らせば,被害者が帝王切開手術を受けた県立医大病院を退院した時点を含む平成19年6月30日までの期間については,Aクリニックおよび県立医大病院における診察も,必要があるものと認めることとする。
(大阪地裁平成23年2月18日判決)
<弁護士交通事故裁判例>食事療養費を治療関係費と認めた事例
加害者側は,入院治療中の食事療養標準負担額4万8360円は要するに食費であって,本件事故発生の有無にかかわらず必要な支出であるから,これと本件事故との因果関係は否定されるべきであり,この金額は治療関係費から控除されるべきであると主張する。しかし,「食事療養」との名目からも明らかなように,入院治療中の食事はそれ自体治療の一環であると考えられるから,この点に関する被告らの主張は採用することができない。
(東京地裁平成21年12月24日判決)
<弁護士交通事故裁判例>症状固定後の治療費を否定し慰謝料で考慮した事例
今後も四肢麻痺の合併症が発症する恐れがあるが,現在において入院の必要はないものと認められ,発症の恐れは慰謝料算定に当たって考慮する。
(大阪地裁平成3年10月29日判決)