<弁護士交通事故裁判例>新居宅改造費用と購入費用10%相当を損害と認めた事例
2017-03-09
被害者が住宅で生活するためには、段差の解消等の家屋改造を加える必要があることが明らかであるが、旧居宅は大変狭く、必要な改造を加えたとしても、被害者とその家族が旧居宅に居住することは実際上不可能であったから、本件事故を契機として、より広い家屋を購入する必要が生じたことは明らかである。もとより、広い家屋の購入は被害者ら家族の利便と生活の向上をもたらすものであるが、被害者が本件事故により重大な後遺障害を負わなければ、当面、新居宅を購入する必要もなかったことからすれば、新居宅の購入費用の一部は、本件事故と相当因果関係を有する損害に当たると認めるのが相当である。仮に旧居宅を改造したとしてても、少なくとも数百万円の改造費用を要したものと認められるから、被害者らの主張するように、新居宅の改造費用160万6500円に加えて、新居宅の購入費用6480万円の10%に相当する648万円を本件事故と相当因果関係を有する損害として認めるのが相当である。
(東京地裁平成15年2月27日判決)
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