<弁護士・交通事故裁判例>左坐骨神経損傷の治療を米国で受けた被害者について渡米して治療を受ける必要性を認めることは困難であり,日本における治療費と比較して高額であるとして米国での治療費のうち約50%を損害と認めた事例

2015-04-30

 米国のS病院での治療等の内容が当時日本で受けられない内容のものであったことを認めるに足りる証拠はなく,かえって,同病院における治療等は,日本においても一般的である温熱療法,牽引,電気刺激,冷湿布および歩行訓練等の理学療法を中心としたものであったことが認められる。そうすると被害者がわざわざ渡米してS病院で治療を受ける必要性があったと認定することは困難である。また,同病院における治療費は,その内容や期間を前提に日本における治療費と比較すると相当に高額である。これらの事情を総合すると,治療費のうち160万円(概ね5割)の限度で本件事故と損等因果関係のある損害と認めるのが相当である。
(東京地裁平成15年5月8日判決)

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