<弁護士交通事故裁判例>代表取締役の就労制限期間中も給与を支払っていた会社は、就労制限部分に対応する限度で損害賠償請求権を代位取得するとした事例
2018-06-07
生活態様:資本金¥12,000,000の、土地および中古住宅の売買の仲介、建物
の賃貸を業とする会社の代表取締役で、主な仕事は土地の調査、買収交渉、
官庁等との協議、事務所内での書類決済であったもの
算定基礎:年収¥8,160,000
会社規模、被害者の業務内容、また給料が事故後のS59.4に
¥12,000,000に昇給していること等から、S58の年収
¥12,000,000のうち取締役報酬分を除いた8割程度が労働の対価
たる性質をもつ賃金分である。
休業日数:S58.11.5~11.30は100%、
S58.12.1~S59.4.30まで
は60%、S59.5.1~7.31までは20%の就労制限があったもの
認容額 :¥3,037,333
就労制限期間中も給料を支払っていた会社は、民法422条または同法
702条の類推適用により、被害者の加害者に対する損害賠償請求権を就労
制限部分に対応する限度で代位取得すると解するのが相当である。
(大阪地裁 昭和62年6月23日判決)