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<弁護士・交通事故裁判例>事故後2年以降の治療と事故との相当因果関係を否定した事例
治療中断後昭和53年10月以降の入通院治療については,昭和54年4月から約2か月にわたってT大学病院において受けた各種検査の結果,異常がなく,担当医師が,事故後の経過,検査結果等を踏まえ,「2年位前症状固定となり治療終了の処理をはっきりしなければならなかったと思われる。」との診療検査所見を下していること等の事実に照らして考えると,昭和53年以降の入通院等と本件事故との間の相当因果関係を推認することは難しい。
<弁護士・交通事故裁判例>過剰診療・過誤診療であった場合,特別の事情がない限り,治療は事故と相当因果関係があると判示した事例
仮に,被害者の受けた治療が過剰診療,過誤診療であったとしても,被害者においてこれを認識してあるいは少なくとも認識しなかったことに過失があって当該診療を受けたというような特別の事情がない限り,その診療は,本件事故と因果関係のあるものというべきである。そのような特別な事情の存在を認めさせるに足りる資料はない。したがって,被害者に対する治療は,本件事故と因果関係があるものというべきである。
<弁護士・交通事故裁判例>高額治療費の請求につき,健康保険基準の2倍を限度に事故と相当因果関係ある損害と認めた事例
事故と治療との相当因果関係の判断に当たっては,当該治療行為の必要性および当該治療行為に対する報酬額の相当性が検討の対象となるが,本件の治療行為についてはその必要性に疑問をいだかせるような事情は見当たらない。
本件診療機関の治療費は,健康保険基準による治療費と比較すると投薬料については,12.5倍,注射料については12倍,全体としても10.4倍にのぼっていることが認められるが,自由診療の場合の社会一般の常識的な診療費水準は,健康保険の2倍程度であることが窺われる。
治療内容や治療を受けるに至った経緯等から高額診療費であっても,加害者に負担させるのを相当とするような特別の事情は本件に存しないこと明らかであるから,損害の公平な分担の見地からその全額を本件事故と相当因果関係のある支出であるとは到底認め得ない。被害者の受傷の程度,治療内容,回数,社会一般の診療費水準等諸般の事情を考慮すると,健保基準の2倍の金額(初診料および再診料は,医師会標準料金)が本件事故と相当因果関係がある。
(東京地裁昭和51年3月25日判決)
<弁護士・交通事故裁判例>被害者が転医を繰り返し,治療が長期化した事情を斟酌して損害額を算定した事例
被害者の病名が変転するのは,各病院において被害者の損傷部位を頚椎,脳,脳幹のいずれの観点から診断したのかの医師の見解の相違に起因するものと推認でき,被害者の愁訴も頸部ないし頭部打撲によって発生する多彩な症状の域を出ず,日時の経過により症状も変化をきたすことを勘案すると矛盾しているとか不合理であるとまではいえないし,慢性化した神経症状が心因的要素により持続,増幅することはあり得るが,同精神薬の使用や精神療法が採られた形跡はなく,他に心因性と認めるに足りるっ証拠はない。
しかし,被害者の治療経過に照らすと,被害者は必要以上の転医を繰り返し,その結果,諸検査が重複して行われ治療費が必要以上に拡大し,結果的に治療が長期化していることは否めない。
(東京地裁昭和49年10月29日判決)
【サッカーボール訴訟】子育てから認知症介護まで…判決の影響大きく
無条件に認められてきた子供の行為に対する親の監督責任について、最高裁は9日の判決で「危険性のない行為による偶然の事故について親は責任を負わない」と風穴を開けた。被害者救済に重きを置いていた監督責任をめぐる損害賠償の流れが、この判決を機に変わる可能性がある。
子供に対する監督義務を定めた民法規定では、義務を尽くした親の賠償責任を問わないとする例外を設けているが、ほぼ無視されてきた。このため、子供による偶発的事故に関し、普通の子育てをしている親に責任を負わせてきた。
今回の最高裁判決は両親について「危険なことをしないよう普通のしつけをした。結果の予測は不可能」と冷静に判断。一般的な子育ての実態と裁判実務の乖離(かいり)の修正を試みた。
監督責任が問われる可能性があるのは子供の親だけではない。最高裁では現在、徘徊(はいかい)の症状がある認知症の高齢者が線路内に進入し、列車にはねられて死亡した事故をめぐり、事業者側が損害賠償を求めた訴訟が上告中で、介護現場の実態をどう見るのかが注目されている。子育てから認知症介護まで、周囲の人間はどこまで責任を負うべきなのか。今回の判決が与える影響は大きい。
(産経新聞より)
酒気帯び運転で有罪の下鴨署員を停職6カ月 本人は依願退職 京都府警「警察官として言語道断」
酒気帯びで乗用車を運転したとして、京都府警は9日、下鴨署警務課の男性巡査部長(56)=道交法違反(酒気帯び運転)罪で罰金30万円=を停職6カ月の懲戒処分とした。巡査部長は同日、依願退職した。
府警監察官室によると、巡査部長は2月6日夜、同署の柔剣道大会の慰労会で約2時間飲酒し、帰宅後に同府向日市の自宅付近で酒気帯びで乗用車を運転した。
片山勉首席監察官は「警察官として言語道断。府民に深くおわびする」とコメントした。
(産経新聞より)
子供が蹴ったボールで事故、親の賠償責任認めず 最高裁
小学校の校庭から蹴り出されたサッカーボールが原因で交通事故が起きた。ボールを蹴った小学生(当時)の両親に賠償責任はあるのか――。そうした点が争われた裁判の判決が9日、最高裁であり、第一小法廷(山浦善樹裁判長)は「日常的な行為のなかで起きた、予想できない事故については賠償責任はない」との初の判断を示した。
両親に賠償を命じた二審の判決を破棄し、遺族側の請求を退けた。
民法は、子どもが事故を起こした場合、親などが監督責任を怠っていれば代わりに賠償責任を負うと定めている。これまでの類似の訴訟では、被害者を救済する観点から、ほぼ無条件に親の監督責任が認められてきた。今回の最高裁の判断は、親の責任を限定するもので、同様の争いに今後影響を与える。
事故は2004年に愛媛県今治市の小学校脇の道路で起きた。バイクに乗った80代の男性がボールをよけようとして転倒し、足を骨折。認知症の症状が出て、約1年半後に肺炎で死亡した。遺族が07年、約5千万円の損害賠償を求めて提訴。二審は、ボールを蹴った当時小学生だった男性の過失を認め、「子どもを指導する義務があった」として両親に計約1100万円の賠償を命じた。両親が上告していた。
(朝日新聞より)
若者に増える「現代型鬱病」 患者本人に強い自己愛傾向 企業にストレスチェック義務付け
職場のストレスが原因の鬱病など、精神の障害を訴えるケースが増えている。中でも若者に多く、急に抑鬱などの症状を訴えて欠勤するといった、いわゆる「現代型鬱病」(新型鬱)の増加が目立つのが最近の特徴だ。厚生労働省が今年12月から事業者に職場のストレスチェックを義務付けるなど精神衛生面での環境改善の動きが高まっており、現代型鬱病についても実態の解明や治療法の確立が迫られている。
強い自己愛
厚生労働省によると、仕事による強いストレスなどが原因で発病した精神障害の労災補償は、平成25年度は請求件数が1409件と過去最高を記録し、平成16年度(524件)の3倍近くになった。原因は「仕事の内容や量の激変」「ひどい嫌がらせやいじめ」「悲惨な事故、災害の体験」などで職場にさまざまなストレスが潜んでいることがわかる。
こうした状況の中で、10年ほど前から関心が高まってきたのが、「現代型鬱病」だ。
25歳の男性Aさんは、商社の総務課に勤務して2年目。真面目な勤務態度だったが、書類作成のミスが何回かあり、上司から「集中力が低い」と指摘されると、「叱責された」と強く反応し、呆然(ぼうぜん)としてしまった。その後、不眠になり、出勤が怖くなってしまった。
Aさんは、「自分は優秀」などと思い込む自己愛の強い性格。典型的な現代型鬱病とみられる。日本産業ストレス学会常任理事でみずほフィナンシャルグループ関西統括産業医の廣部一彦医師は、「大学では成績が良く、就職するまでほめられるばかりだったため、激しく落ち込んだのでは」と分析する。
現代型鬱病の場合、患者本人に自己愛が強い傾向があり、一方的に「職場や上司が悪い」と決めつけてしまう。自ら鬱病と医師に主張するケースもあり、短期間に再発を繰り返すこともある。休職中に無断で海外旅行に行くなど自己中心的な行動をとることもある。
廣部医師は「従来型の鬱病と違って投薬の効果が少ないので、対応はカウンセリングによる社会復帰の支援という形になります。産業医として長く勤めていますが、メンタルヘルス相談はここ7、8年は若者が多く、現代型鬱病がかなり増えています」と話す。
休日は元気
専属産業医で構成する「サンユー会」が、約50社、約33万人の会社員を対象に行ったメンタルヘルス不調による長期欠勤者の実態調査(平成18~20年)によると、1カ月以上の休職者発生率は男性が約0・6%、女性約0・4%で、女性は圧倒的に20~30代が多かった。職場の看護職らに相談するケースも飛躍的に増えている。廣部医師は「職場の人間関係が希薄になり、若い社員ほど職場に疎外感があるなかで、相談しやすい看護職を活用し、社内カウンセリング制度を充実させることが必要でしょう」と話す。
こうした現代型鬱病の治療について「職場のメンタルヘルス」などの著書で知られる、精神科医の藤本修・おおさかメンタルヘルス研究所代表理事は「従来型の鬱病より若い世代に多く、職場では抑鬱気分、意欲低下などの症状を訴えるものの、休日は元気なケースもあります。自己中心的な行動に見えても、診察すると実際に悩み苦しんでいます」と説明する。
自信満々のようで、実は他人の評価に過敏で不安になる、という精神的な背景が共通してあり、本人の特性、能力を整理して自覚させるような形の心理療法をはじめ、効果を見極めたうえでの抗鬱剤投与など薬物療法も行う。「鬱病の若者が増えた背景として、学校教育など社会的要因も考えたうえで、周囲の正しい理解も不可欠」と話している。
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【ストレスチェックとは】
改正労働安全衛生法の施行に伴い、今年12月1日から、労働者のストレスによる心理的な負担を把握するため、事業者に1年に1回、検査を義務づける。チェックには、厚生労働省が標準的な調査票として作成した「職業性ストレス簡易調査票」などを使用。その結果を本人に通知し、精神面でのリスクを自ら早期発見してもらい、個人から事業者に申し出があれば、事業者が医師に依頼し面接指導する。事業者は医師から意見を聴き、休職など就業上の措置を取る。
(産経新聞より)
<新商標>音や色の出願、1週間で500件
企業のテレビCMや製品に使われる音や色彩が今月から新たに商標として登録できるようになり、特許庁への出願が1週間で約500件に達した。消費者がどこかで目や耳にするなじみ深いものが多く、企業は商標登録で模倣を防ぐとともに、ブランド戦略の一層の多様化を図る。
商標登録の対象はこれまで、文字や図形などに限られていたが、4月1日施行の改正商標法で、「音」「色」、映像上のロゴマークの「動き」「ホログラム」、製品に付けるマークの「位置」が追加された。特許庁によると、初日の1日だけで471件の申請があり、このうち音が144件、色が190件。登録されれば、独占的な使用権が認められる上、政府間協定により、外国への出願手続きも簡単になる。
久光製薬は約25年前からテレビCMなどで使っている「ヒ・サ・ミ・ツ♪」のメロディーなどを出願した。すでに世界約50カ国で同様の商標を出願済み。米国やオーストラリアなどでは登録されており、日本でも音や色を登録できるよう政府に働きかけてきた。堤信夫・取締役法務部長は「商標はお客様へ情報を伝える手段。新タイプの商標によって権利が安心して使えるようになる」と期待を寄せる。
江崎グリコは、テレビCMで1992年から使っている「グ・リ・コ♪」の旋律を、大幸薬品も正露丸のテレビCMで使われる「パッパラパッパ♪」で始まるラッパのメロディーをそれぞれ出願した。
玩具大手「タカラトミー」は列車を走らせて遊ぶおもちゃ「プラレール」の線路の色の青を出願。同社は59年の発売時からレールにこの色を使っており、広報担当者は「プラレールといえば青色。登録でブランドイメージをさらに向上させたい」と強調する。セブン-イレブン・ジャパンも、コンビニエンスストアの店舗に使うオレンジ、緑、赤の3色の組み合わせを出願した。特許庁の審査を経て、数カ月後に順次登録される見通しだ。
特許庁の担当者は「世界展開する企業から、『国内でも新しい商標を』との声が強かった。新制度をきっかけに、企業の商標への関心がより高まるのでは」と話す。一方、法改正の検討段階では、色や音の商標登録が、ほかの企業の広告、宣伝活動を制約しかねないとの懸念の声も上がっていた。権利をしっかり保護しつつ、競争も妨げない審査を特許庁が進められるかも問われることになる。
(毎日新聞より)
<名人戦>七番勝負第1局前夜祭 「全力」「誇り」両雄語る
将棋界の最高峰をかけて争う第73期名人戦七番勝負第1局(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、藤田観光協力)は8日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で開幕する。昨年名人位に返り咲き、通算9期目の獲得がかかる羽生善治名人(44)に、行方尚史(なめかた・ひさし)八段(41)が初挑戦する。
対局に先立ち7日夕、ホテルで前夜祭が開かれ、約400人が出席した。朝比奈豊毎日新聞社社長が「大山康晴十五世名人の弟子にあたる行方八段が、羽生名人に挑戦することで将棋ファンにとっては楽しみな対戦となりました。力のこもった勝負を期待します」と主催者あいさつ。続いて渡辺雅隆朝日新聞社社長、谷川浩司日本将棋連盟会長、藤井基之副文部科学相、金子好久大和証券グループ本社執行役員が激励し、3月末で引退した内藤国雄九段が乾杯の音頭を取った。
行方は「厳しい戦いになることは承知していますが、全力を出し切って勝ちたい」と抱負を述べ、羽生は「この舞台に立てることは名誉であり誇りです。ふさわしい内容の将棋を指したい」と今期に臨む決意を語った。
行方は、挑戦権を争うA級順位戦で23年ぶりの4者によるプレーオフを勝ち抜き、初挑戦を果たした。40代での名人戦初挑戦は第29期の故灘蓮照(なだ・れんしょう)八段(当時)以来。
名人戦七番勝負は第69期から4期連続で、十九世名人の資格を持つ羽生と十八世名人の資格を持つ森内俊之九段の対戦が続いたが、5期ぶりに新顔の挑戦となった。
対局は8日午前9時開始。午後6時半に指しかけとなり、9日に指し継がれる。持ち時間は各9時間。立会は塚田泰明九段、解説は田村康介七段、記録は川崎直人三段がつとめる。
(毎日新聞より)