<弁護士・交通事故裁判例>病院から保険会社に対する診療費請求につき,1点単価を20円とするのが相当であると判断した事例

2015-04-16

 治療期間は,当初1点単価を25円として計算のうえ保険会社に請求していたところ,入院料だけは1点単価を20円にしてほしい旨保険会社から申入れがあってこれに応じ,さらにその後,一つの事故で被害者が3人もいて,診療費が総額的に高くなるから,その余の分についても1点単価を20円にして請求してもらえれば支払もスムーズにいく旨保険会社から,再度の申入れがあってこれにも応じたところ,そのうち本件事故が保険金詐取を目的とするものであることが明らかになったため保険会社はその支払をせずに現在に至っていることが認められ,かかる経緯からすれば1点単価を20円として計算のうえ治療費額を算出するのが相当である。たとえ,保険指定医の指定を受けていたとしても,かかる特別の事情が認められる以上,1点単価を10円として計算するのが妥当であるとは考えられない。
(神戸地裁昭和59年8月28日判決)

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