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<弁護士・交通事故裁判例>入院中の特別室使用料を事故と相当因果関係ある損害として認めた事例
重篤な後遺障害のため,被害者は症状固定後も継続してリハビリテーションを受ける必要があり,そのためには,毎日2人がかりで被害者を車椅子に乗せなければならず,個室を利用せざるを得なかったこと,被害者には,平成4年5月2日から同年8月28日までの室料差額38万3160円の支払義務があることが認められるので,その費用は,本件事故と相当因果関係のある損害と認められる。
(大阪地裁平成6年9月29日判決)
<弁護士・交通事故裁判例>入院中の特別室使用料を事故と相当因果関係ある損害おして認めた事例
被害者は体格が大きく,付添人1人では入浴の介助ができないこと等の介助の状況からすれば,病院内にトイレおよび入浴の設備があることが望ましいということができるところ,被害者が入院している病室は,電動ベッド,バス,トイレ,キッチン,テレビ,電話,および長椅子が設置された特別室で,室料差額は日額2万円とされていることが認められる。被害者の主治医は,被害者が独自の社会生活が全く不可能であることから,個室入院は当然であり,被害者の症状に照らすと,室内にトイレ,洗面および入浴の設備が身近にあることが看護のために必要不可欠であると判断していることが認められ,被害者の事故当時の職業とそれに伴う社会的地位からすると被害者が特別室に入室したことも,あながち不相当であったということはできず,被害者の症状固定日までの日額2万円の室料差額も本件事故と相当因果関係のある損害というべきである。
(大阪地裁平成3年1月31日判決)
<弁護士・交通事故裁判例>入院中の特別室使用料(差額ベッド代)を事故と相当因果関係ある損害として認めた事例
被害者は,O病院入院中,一時特別室を使用して,8万6000円の差額ベッド代を,H記念病院においては2人部屋の特別室を使用して1494万5370円の差額ベッド代を支払ったことが認められるところ,前認定の被害者の症状の内容および程度を考慮すれば,その支出額は本件事故と相当因果関係のある損害と認めるのが相当である。
(大阪地裁平成2年4月23日判決)
<弁護士・交通事故裁判例>入院中の特別室使用料を事故と相当因果関係ある損害として認めた事例
被害者は,前記入院中,特別室使用料として,合計674万1500円の支払を要したことが認められるが,被害者の受傷内容は,右前頭骨骨折,脳挫傷およびくも膜下出血等その頭部に集中しており,しばらくの間意識の回復もなかったほどであるから,被害者は入院期間中極めて重篤の状態にあり,特別室の使用を必要とする状況にあったものと認められる。
したがって,特別室の使用料についても本件事故と相当因果関係を認めるのが相当である。
(東京地裁平成元年1月17日判決)
<弁護士・交通事故裁判例>温泉療養費の60%について,事故との相当因果関係を認めた事例
被害者は,勤務再開前に温泉にでも行って休養するように医師に勧められたこともあり,塩原温泉に5回,下部温泉に1回行って温泉療養をしているが,時期的に春から秋までに集中しており,入院治療との関連も明らかでなく,医師の明確な指示によるものともいえないので,温泉療養費のすべてについて本件事故と相当因果関係があるとは認め難く,前認定の受傷内容,治療経過を併せ考えるとその60%に相当する11万9422円(円未満切捨)についてのみ本件事故と相当因果関係を認めるのが相当である。
(東京地裁昭和53年3月16日判決)
<弁護士・交通事故裁判例>温泉治療費,義指代の賠償が認められた事例
被害者は,ギプス固定のため,左腕や左手指の関節の動きが悪くなっており,医師の個人的な勧めもあって退院後間もなく伊豆長岡温泉に温泉療養に行き1万円を下らない費用を支出したものと認められ,事故と相当因果関係ある損害と認められる。
被害者の切断した左手人差し指は,神経が過敏でわずかな刺激でも痛みを覚えるので,外部からの刺激を防ぐため,また外観上,機能上からも今後義指を装置する必要があり,その義指の価格は1万3000円で,耐用年数は2年程度であることが認められる。
被害者が事故時27歳で,その平均余命は,45.58年であることから,これらの数値を基礎にライプニッツ式計算法により中間利息を控除して,被害者が今後必要とする義指代の減価を計算すると11万7366円となる。
(東京地裁昭和51年11月29日判決)
<弁護士・交通事故裁判例>病院の指示によらない3年を超える整骨院治療について9か月分につき事故との相当因果関係を認めた事例
整骨院治療の相当性については,病院の方では積極的に指示はしなかったが,病院の処置内容を見ると,病院でも整骨院への通院内容を踏まえて処置を行っていたように見られなくはないこと,被害者はそれなりに症状緩和の効果を感じていたことが認められるから,整骨院治療についても本件事故との因果関係は認められる。しかしながら,本件事故時の被害車両の損傷が極めて軽微であること,被害者が事故の翌日夕方になって病院を訪れたという経緯,病院ではレントゲン検査以外に検査がなされておらず,処置も湿布薬と症状に合わせての痛み止めの処方のほかに特段の処置もなされず,事故から1年半経過した時点で診断書発行の要請を受けて初めてレントゲン検査以外の検査を行っていることを総合すると,被害者の傷害内容は軽微なものと認められる上,自宅に近いという理由で整骨院に通院を継続し,整骨院での治療の内容,頻度,程度についてまで病院が適切に把握した上で治療を行っていたのか疑問なしとはしないことなどに照らせば,事故と相当因果関係を有するのは事故から9か月までの治療であると認めるのが相当である。
(大阪地裁平成16年7月30日判決)
<弁護士・交通事故裁判例>頚椎捻挫,腰椎捻挫を受傷した主婦が事故当時妊娠中でX線撮影や投薬が受けられないため,韓国で受けた漢方治療の治療費100万1728円を損害として認めた事例
被害者は,韓国に帰った後,デリン漢医院で平成4年10月20日から平成5年4月15日まで漢方治療を受け,治療費として合計896万ウォンを支出したことが認められる。
鑑定嘱託の結果によれば,右治療費の必要性,相当性を認めることができ,これに反する証拠はない。
また,被害者は当時妊娠中であり,通常のX線撮影や投薬等が受けられなかったから,かかる漢方治療によったこともやむを得ないものということができる。
ところで,本件口頭弁論終結の日の前日終値の外国為替対顧客電信売相場に照らして,日本円に換算すると,右損害額は,100万1728円に相当するものと認められる。
(東京地裁平成10年1月28日判決)
<弁護士・交通事故裁判例>事故により頸部捻挫等の受傷をした被害者の治療費につき,気功および筋整術の必要性を認めた事例
気功および筋整術については,医師の勧めはないものの,これらの施術の結果,身体の痛み等が治まったことに鑑みると(これが虚偽でないことは,気功のため群馬県高崎市まで往復し,かつ,筋整術のため静岡県富士宮市に転居までしたことから窺うことができる),いずれも必要であったと認められる。
(東京地裁平成7年11月28日判決)
<弁護士・交通事故裁判例>医師の指示によらない柔道整復師の治療につき,被害者が相当程度以上の症状の軽減回復を感じていることを理由に,その治療費を損害と認めた事例
柔道整復師による本件治療は,医師の指示によるものではないが,被害者がこれにより相当程度以上の症状の軽減回復を感じていることが認められ,治療の必要性,相当性を肯定することができるから,上記治療は本件事故との因果関係があるというべきである。
(ただし,最終的には被害者の既往症にも本件傷害に対する割合的因果関係があるとして民法722条2項を類推して20%の減額をしている。)
(神戸地裁平成7年9月19日判決)