Archive for the ‘未分類’ Category

<弁護士交通事故裁判例>加害者との関係では遅延損害金、保険会社では元本に充当されるとした事例

2018-03-01

政府の自動車損害賠償保障事業
 被害者は、H22.6.18、政府の自動車損害賠償保障事業から、自賠てん補金4000万円の支払を受けた。自賠てん補金は、加害者らとの関係では民法491条により、まず既発生の遅延損害金に充当され、その残額が元本に充当される。被害者との自動車保険契約に基づく無保険車傷害保険金を請求される保険会社との関係では、元本に充当される。被害者の人身損害合計(2億6311万5248円)から障害基礎年金(H22.5.14~H26.8.15に支払われた合計294万599円)を控除した金額に対して、H22.6.18までに発生した遅延損害金は1243万8486円であるので、加害者らとの関係では、充当後の金額は2億3261万3135円となる。他方、保険会社との関係では、充当後の金額は2億2017万4649円となる。

<弁護士交通事故裁判例>被害者の単身赴任の住居明渡費用を損害と認めた事例

2018-02-28

部屋明渡費用:2万8000円
 被害者は名古屋に単身赴任しており、死亡に伴い不用品の処分および部屋の明渡を要し、その費用に上記金額を要したことが認められ、これは本件事故と相当因果関係のある損害ということができる。

(京都地裁判決平成26年6月27日判決)

<弁護士交通事故裁判例>67歳の被害者の治療関係費につき加害者側の主張を認めなかった事例

2018-02-27

治療関係費:45万8067円
 加害者側は、被害者が主張する治療費には、被害者が本件事故前から患っていた糖尿病の治療および検査に関する費用のほか、本件事故に遭遇しなくても負担する必要のある食費が含まれているとして、被害者側の主張を争う。しかし、被害者に対する治療は、本件事故によって頭蓋骨開放骨折、脳挫傷、遷延性意識障害等の傷害を負い、胃瘻から栄養を摂取することとなり、また、抵抗力が低下して感染症を発症しやすくなるなど、被害者の全身状態が悪化しているなかで、本件事故前とは異なる観点から必要な治療として行われているものであり、加害者側の指摘の点から必要性・相当性を欠くものとはいえないから、加害者側の上記主張は採用できない。

(大阪地裁平成26年6月27日判決)

<弁護士交通事故裁判例>賃貸マンション更新料と火災保険料を認めた事例

2018-02-26

賃貸マンション更新料・保険料:9万8000円
 被害者は、本件事故当時、婚約者と賃貸マンションで同棲していたが、本件事故による治療のため、フランスに戻った婚約者に代わり、更新料およぶ火災保険料を支払ってマンションの賃貸契約を更新し、H24.9末に中途解約するまで同所に居住していたと認められる。更新料(8万1000円)と火災保険料(2年分1万7000円)について本件事故との相当因果関係を認める(なお、中途解約により、火災保険料の一部が払い戻された事実を認めるに足りる証拠はない。)。

(名古屋地裁平成26年5月28日判決)

<弁護士交通事故裁判例>被害者の親族の交通費等を損害と認めた事例

2017-11-07

兄の交通費および修学旅行損害金:5万1357円
 被害者の兄が平成25年1月29日から3泊4日の予定で高校の修学旅行のため,沖縄県を訪れていたこと,同月31日に同県から入院先の病院に向かい,その際,飛行機代2万1150円,バス代1220円およびタクシー代950円を要したこと,修学旅行代金が8万4112円であったことが認められる。被害者と兄の関係性がおよび被害者の受傷と程度に照らせば,兄が修学旅行先から入院先の病院に向かったのは社会通念上相当な行為と認められるから,交通費および修学旅行代金については,本件事故と相当因果関係のある損害に当たる部分があると認められる。被害者側が主張する交通費については全額が本件事故と相当因果関係があると認められる。修学旅行代金については,旅行日程および兄の帰宅日に照らせば,本件事故の発生時刻や本件事故の連絡を受けた兄の心情等に関する被害者側の主張を踏まえても,本件事故と相当因果関係のある損害に当たるのはその1/3にとどまるというべきである。
2万1150円+1220円+950円+8万4112円÷3=5万1357円

(福井地裁平成26年4月17日判決)

<弁護士交通事故裁判例>取調べ要請に応じて赴いた費用を損害とした事例

2017-10-30

交通費・雑費:29万9964円
 被害者の両親は広島地方検察庁において取調べを受けるため,平成23年3月16日および平成23年3月17日に広島市に赴き,父親は,その際の交通費・宿泊費として13万7120円を支出したことが認められる。交通事故により被害者が死亡した場合,その遺族は,調査機関から取調べの要請があれば,それに応じる必要があるところ,上記の費用13万7120円は両親が本件事故発生場所を管轄する広島地方検察庁からの取調べの要請に応じ,広島に赴いたことから発生したものであるといえ,これは本件事故との間に相当因果関係のある損害と認めるのが相当である。
※事故の翌日に両親が事故発生場所に赴いた際の費用(交通費・宿泊費)16万2844円と合わせて合計29万9964円となる。

(東京地裁平成26年3月27日判決)

<弁護士交通事故裁判例>事故から20年以上後の訴訟提起を除斥期間内と認めた事例

2017-10-27

被害者は,平成24年8月8日に後遺障害について症状固定の診断を受け,その診断書を任意保険会社に提出して,平成24年9月26日頃に併合10級に相当するとの認定を受け,それから6か月以内の平成25年2月23日にに本訴を提起したが,本件事故日からは20年以上が経過している。そこで検討するに,平成24年8月8日に症状固定の診断を受けても,事前認定の結果が出る前に訴えの提起を求めるのは困難であることおよび事前認定を受けた平成24年9月26日頃から訴えの提起を準備するとしても,6か月の期間は通常必要と認められることからすれば,被害者は症状固定の診断書を任意保険会社に提出して事前認定の手続を進めさせてから平成25年2月23日本訴提起までの経過は,被害者が損害賠償請求権を行使する一連一体の行為と捉えることができ,本件事故から20年除斥期間の満了は阻止されたことになると判断するのが相当である。自賠責保険の付保されている本件事故においてその損害賠償請求権行為の行為を一定の時間的な幅を持つものと捉えたとしても,その幅症状固定の診断書を提出して事前認定の手続を進めさせてから認定結果が出るまでの事前認定手続期間および事前認定から6か月の訴え提訴準備期間に限られているから,法律関係を画一的に確定しようとする除斥期間の趣旨を乱すことはないというべきである。

(水戸地裁下妻支部平成25年10月11日判決)

<弁護士交通事故裁判例>ペットの預け費用を損害と認めた事例

2017-10-25

ペットの預け費用:73万7000円
 被害者は,本件事故当時,自宅でペット(ヘビ5匹,ネズミ4頭)を飼育していたところ,本件事故による受傷のため⓵ヘビについては,平成21年11月29日~同年11月29日,日額1万7000円でペットショップに預け,61万2000円を負担し,⓶ネズミについては平成21年10月23日~同年12月22日,日額6000円でペットホテルに預け,フード代等を含めて38万9760円を負担したことが認められる。被害者は,退院後しばらくは自力でペットの世話をすることが困難であったと主張するが,⓵担当医師は退院時点で日常生活動作に支障はないと判断していたこと,⓶ヘビの飼育にはそれほど手間がかからず,ネズミは1日2回の清掃が必要だか,その時間は合わせて1時間程度であり,力が必要な作業ではないことを考慮すると,被害者は退院時にはペットの飼育が可能な状態であったというべきであり,本件事故と相当因果関係のあるペット預け費用は退院した日の翌日の平成21年10月25日までと認めるのが相当である。

(東京地裁平成25年1月25日判決)

<弁護士交通事故裁判例>被害車両の保管料を損害と認めた事例

2017-10-24

保管料:6万3375円
 証拠および弁論の全趣旨によれば,被害者側は,平成23年3月23日に埼玉県浦和警察署から被害車両の返還を受けて以来,修理業者に対して被害車両の保管を依頼しており,その費用として日額500円の保管料(同年12月2日までの分は12万7500円)を負担していることが認められる。加害者側が,孫権訴訟係属中の同年12月2日,保管されている被害車両を確認しに行き,被害車両の損傷状況を撮影した写真を本件訴訟に提出していることからも,被害車両の損傷状況を保存するために被害車両を保管する必要性があったことが認められるから,少なくとも同日までの保管料12万7500円(被害者が損害として主張しているのは,その一部である。)については,本件事故と相当因果関係が認められる。

(東京地裁平成24年11月30日判決)

<弁護士交通事故裁判例>被害者の帰国費用等を損害とした事例

2017-10-23

帰国費用・ツアー損失:7万1778円
 証拠および弁論の全趣旨によれば,被害者の母親が,平成22年3月28日から2泊3日の予定で1人当たり4万円の韓国旅行ツアーに参加していたところ,本件事故日の昼過ぎに本件事故発生の連絡を受け,直ちに旅程を中止し,帰国し,その帰国費用として航空券代39万2500ウォン(当日のレートで3万2048円),バス代3000円およびタクシー代1万6730円を要したことが認められる。ツアー代金については,その約半分の旅程は終了していたことから,その半額である2万円について,帰国費用についてはその全額について,本件事故と相当因果関係がある損害と認める。

(東京地裁平成24年11月28日判決)

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