Archive for the ‘未分類’ Category

<弁護士交通事故裁判例>被害者の休業損害について大卒の平均賃金で算定した事例

2018-03-08

生活態様:高校3年在学中。H8.10.18、大学への推薦書が提出されていた。
算定基礎:年収300万6000円(賃金センサス大学卒女子20~24歳平均賃金)
 被害者は、本件事故にあわなければ、H9.4に大学に入学し、H13.3に卒業していた蓋然性が高かったと認められる。
休業日数:518日
 就労開始日であるH13.4.1から症状固定日であるH14.8.31まで
認容額:426万6049円(=300万6000円×518÷365)

(大阪地裁平成19年1月31日判決)

<弁護士交通事故裁判例>保険料の増額分を加害者に負担させることは、相当であるとはいい難いとした事例

2018-03-07

保険料増額分:交通事故により損傷した車両の修理や買替えをする場合、修理費用や買替費用につき、被害者は、①保険契約を利用するか、②保険契約を利用せずに、加害者から支払われる損害賠償金で賄うか、③加害者から損害賠償金が支払われるのを待つことなく、当面は自己負担により対応するかを自由に選択することができ、①を選択して年間保険料が増額されることとなるか、②や③を選択して年間保険料が増額されないことこなるかは、専ら被害者の意思に委ねられていることからすると、被害者が①を選択した場合の増額分を加害者に負担させることが、損害の公平な分担の見地から相当であるとはいい難い。保険契約は交通事故等により保険契約者側が被った損害の填補または保険契約者側が他者に与えた損害の賠償のための自衛手段として締結するものであり、保険料は自衛のためのコストとして保険契約者自身が負担すべきものであるから、年間保険料が増額されリスクについても保険契約者自身が負担するのが相当である。以上によれば、年間保険料の増額分は、本件事故と相当因果関係のある損害とはいえないというべきである。

(東京地裁平成27年9月29日判決)

<弁護士交通事故裁判例>成年後見人の報酬について事故との相当因果関係を認めた事例

2018-03-06

成年後見人の報酬:124万1100円
 書証によれば、弁護士がH25.12.18まで被害者の成年後見人に就任したこと、同弁護士に対し成年後見人の報酬として124万1100円が与えられたことが認められ、これは本件事故と相当因果関係のある損害と認められる。

(大阪地裁平成27年5月27日判決)

<弁護士交通事故裁判例>黙示の元本充当合意が成立していたと認めた事例

2018-03-05

損害の填補:加害者側任意保険会社は、被害者に対し、3367万3549円の損害賠償金を支払ったが、これは被害者の人身損害に充当するのが相当である。被害者に対する損害賠償金の支払状況が記載された通知書には「四 内払」の項に「H22.11.1以降については、損害賠償金の元本への充当合意あり」と記載されているから、H22.11.9、同12.8、H23.1.6に支払われた合計1500万円については、元本充当合意があったと認められるが、H22.8.10、同9.28に支払われた合計1000万円については、元本充当合意は認められず、遅延損害金から優先的に充当するのが相当である。被害者は、元本充当合意がある合計1500万円以外については、全て遅延損害金から優先的に充当すべきと主張するが、本件通知書の上記記載は「四 内払」の項に記載された合計2500万円に関する記載と解され、それ以外の費目(治療費、交通費等およびその他諸雑費)に係る支払を損害賠償金の元本に充当することを否定する趣旨とは解されない。治療費、交通費およびその他雑費については、支払の対象が明確であり、実損害の填補を目的とする損害賠償の内払であることが明らかというべきであるから、これらの支払については、被害者と任意保険会社との間で、黙示の元本充当合意が成立していたと認めるのが相当である。

(東京地裁平成26年12月24日判決)

<弁護士交通事故裁判例>加害者との関係では遅延損害金、保険会社では元本に充当されるとした事例

2018-03-01

政府の自動車損害賠償保障事業
 被害者は、H22.6.18、政府の自動車損害賠償保障事業から、自賠てん補金4000万円の支払を受けた。自賠てん補金は、加害者らとの関係では民法491条により、まず既発生の遅延損害金に充当され、その残額が元本に充当される。被害者との自動車保険契約に基づく無保険車傷害保険金を請求される保険会社との関係では、元本に充当される。被害者の人身損害合計(2億6311万5248円)から障害基礎年金(H22.5.14~H26.8.15に支払われた合計294万599円)を控除した金額に対して、H22.6.18までに発生した遅延損害金は1243万8486円であるので、加害者らとの関係では、充当後の金額は2億3261万3135円となる。他方、保険会社との関係では、充当後の金額は2億2017万4649円となる。

<弁護士交通事故裁判例>被害者の単身赴任の住居明渡費用を損害と認めた事例

2018-02-28

部屋明渡費用:2万8000円
 被害者は名古屋に単身赴任しており、死亡に伴い不用品の処分および部屋の明渡を要し、その費用に上記金額を要したことが認められ、これは本件事故と相当因果関係のある損害ということができる。

(京都地裁判決平成26年6月27日判決)

<弁護士交通事故裁判例>67歳の被害者の治療関係費につき加害者側の主張を認めなかった事例

2018-02-27

治療関係費:45万8067円
 加害者側は、被害者が主張する治療費には、被害者が本件事故前から患っていた糖尿病の治療および検査に関する費用のほか、本件事故に遭遇しなくても負担する必要のある食費が含まれているとして、被害者側の主張を争う。しかし、被害者に対する治療は、本件事故によって頭蓋骨開放骨折、脳挫傷、遷延性意識障害等の傷害を負い、胃瘻から栄養を摂取することとなり、また、抵抗力が低下して感染症を発症しやすくなるなど、被害者の全身状態が悪化しているなかで、本件事故前とは異なる観点から必要な治療として行われているものであり、加害者側の指摘の点から必要性・相当性を欠くものとはいえないから、加害者側の上記主張は採用できない。

(大阪地裁平成26年6月27日判決)

<弁護士交通事故裁判例>賃貸マンション更新料と火災保険料を認めた事例

2018-02-26

賃貸マンション更新料・保険料:9万8000円
 被害者は、本件事故当時、婚約者と賃貸マンションで同棲していたが、本件事故による治療のため、フランスに戻った婚約者に代わり、更新料およぶ火災保険料を支払ってマンションの賃貸契約を更新し、H24.9末に中途解約するまで同所に居住していたと認められる。更新料(8万1000円)と火災保険料(2年分1万7000円)について本件事故との相当因果関係を認める(なお、中途解約により、火災保険料の一部が払い戻された事実を認めるに足りる証拠はない。)。

(名古屋地裁平成26年5月28日判決)

<弁護士交通事故裁判例>被害者の親族の交通費等を損害と認めた事例

2017-11-07

兄の交通費および修学旅行損害金:5万1357円
 被害者の兄が平成25年1月29日から3泊4日の予定で高校の修学旅行のため,沖縄県を訪れていたこと,同月31日に同県から入院先の病院に向かい,その際,飛行機代2万1150円,バス代1220円およびタクシー代950円を要したこと,修学旅行代金が8万4112円であったことが認められる。被害者と兄の関係性がおよび被害者の受傷と程度に照らせば,兄が修学旅行先から入院先の病院に向かったのは社会通念上相当な行為と認められるから,交通費および修学旅行代金については,本件事故と相当因果関係のある損害に当たる部分があると認められる。被害者側が主張する交通費については全額が本件事故と相当因果関係があると認められる。修学旅行代金については,旅行日程および兄の帰宅日に照らせば,本件事故の発生時刻や本件事故の連絡を受けた兄の心情等に関する被害者側の主張を踏まえても,本件事故と相当因果関係のある損害に当たるのはその1/3にとどまるというべきである。
2万1150円+1220円+950円+8万4112円÷3=5万1357円

(福井地裁平成26年4月17日判決)

<弁護士交通事故裁判例>取調べ要請に応じて赴いた費用を損害とした事例

2017-10-30

交通費・雑費:29万9964円
 被害者の両親は広島地方検察庁において取調べを受けるため,平成23年3月16日および平成23年3月17日に広島市に赴き,父親は,その際の交通費・宿泊費として13万7120円を支出したことが認められる。交通事故により被害者が死亡した場合,その遺族は,調査機関から取調べの要請があれば,それに応じる必要があるところ,上記の費用13万7120円は両親が本件事故発生場所を管轄する広島地方検察庁からの取調べの要請に応じ,広島に赴いたことから発生したものであるといえ,これは本件事故との間に相当因果関係のある損害と認めるのが相当である。
※事故の翌日に両親が事故発生場所に赴いた際の費用(交通費・宿泊費)16万2844円と合わせて合計29万9964円となる。

(東京地裁平成26年3月27日判決)

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