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後遺障害等級14級(併合)が認定されました(R4.8.16)
外傷性頸部症候群に伴う左頚部痛、頚部の安静時痛・動作痛、肩甲帯周囲の疼痛の症状につき、後遺障害等級14級9号、外傷性腰部症候群に伴う腰痛、腰部の安静時痛の症状につき、後遺障害等級14級9号、併合14級が認定されました。
後遺障害等級14級9号が認定されました
頚部痛、左上肢痛の交通事故被害者の方について、後遺障害等級14級9号が認定されました。
予備校生である被害者の後遺障害逸失利益計算例(H22.9.30東京地裁)
被害者は,本件事故当時大学入学を目指して浪人中であったが,河合塾の大学受験科トップレベル国公立大医進コースに在籍していたことが認められる上,昨今の大学進学率等に照らすと,大学に進学できた蓋然性があるといえるから,基礎収入は症状固定時の平成19年賃金センサス男子大学・大学院卒全年齢平均賃金によるのが相当である。
大学院生の就職後の後遺障害逸失利益の算定に当たり就職先企業のモデル年収ではなく賃金センサスを用いて計算した事例(H21.2.26大阪地判)
被害者は足に後遺障害を残しているために営業職や生産現場等の一定の部署を経験し難いことが予想され,それ故に将来の昇進・昇格について同僚と比べて相対的に不利益な取り扱いを受けるおそれがないではないから,財産上の損害があるというべきである。ただし,その不利益の程度は明確に把握し難いうえ,被害者の勤務先が上場企業であることから転職の可能性も低いと予想されること等の諸事情も考慮すると,その逸失利益算定については症状固定時において労働能力の10%を喪失したものと認めるのが相当である。また,基礎年収額については,勤務先が上場企業であり,被害者が転職する可能性は低いと予想されるけれども,同社のモデル年収一覧表記載の通り昇格していくのか不確実であることは否定できないから,同社の大卒社員の平均賃金を採用するのは相当でない。男子労働者・企業規模1000人以上・大学・大学院卒の平均賃金額を基礎収入額とするのが相当である。
男子の顔面醜状障害に症状固定後20年にわたり逸失利益を認容した事例(H13.8.22東京地判)
加害者は,男子の顔面醜状によって逸失利益は発生しないと主張するが,被害者は,人と接する際には常に化粧品を使用しなければならないこと自体不自然なことであり,被害者の精神的苦痛が大きいだけではなく,男性といえども醜状痕により就職が制限されたり,営業成績が上がらなかったり,仕事の能率や意欲を低下させ,ひいては所得に影響を与えることは十分考えられ,加害者の主張は採用できない。
専門学校生の後遺障害(第4級該当)による逸失利益算定に当たり85%の労働能力喪失を認めた事例(H7.5.16東京地判)
被害者は,自動車の運転ができて,家業の手伝い程度の就労が可能であり,また放送大学の授業を受けているのであって,第4級の等級表による92%の労働能力が喪失したと認めるのは困難である。しかしながら,これらの点は被害者の努力によるものが大きいものと推認され,これを過大評価して労働能力喪失割合を下げるのは適当でないこと等も考慮すると,被害者は,後遺障害の結果,労働能力が85%喪失したものと認めるのが相当である。
併合4級の症状固定時23歳男子大学生の逸失利益を労働能力喪失率80%で67歳まで認めた事例(H25.3.26横浜地判)
被害者の後遺障害は併合4級であり,A病院の医師は,左手のみを使用した軽作業のみ可能である旨診断している。被害者は,本件事故後,大手の建設会社に正社員として雇用され,資料作成等の仕事をしていること,H23分の年収額は¥4,022,670であること,主な後遺障害は右手の機能障害であること,ただし,上記雇用が障害者枠のものであることなどに照らすと労働能力喪失率は80%とする。
併合10級の22歳男子栄養士(事故時は大学生)の逸失利益を労働能力喪失率27%で67歳まで認めた事例(H23.4.13大阪地判)
後遺障害として左股関節および左膝関節に機能障害を,左・右足大腿部の醜状障害を残しており,いずれも12級に相当するものとして併合10級に該当すると認定を受けた。被害者は,現在栄養士として私立病院に勤務しているところ,機能障害により走ることは不可能であり,階段の上り下りには,手すりを使って自分の身体を引っ張り上げるようにしなければならないなど,現在の仕事に大きな障害が生じているというべきである。
特別な技能を有する大学生の後遺障害逸失利益計算例(H19.9.25東京地判)
被害者は,症状固定の25歳から67歳までの42年間の就労可能期間において労働能力を100%喪失したというべきである。また,被害者が書道に関して有していた才能を大学での課程を通じさらに高めて特別な技能として修得するに至っていたことに照らすと,被害者は上記の期間を通じ,H14年賃金センサスの大学を卒業した女性労働者の全年齢平均年収額である¥4,465,000に1割を加算した金額に相当する収入を得ることが可能であったと推認することができる。
大学生の高次脳機能障害による逸失利益について60%の労働能力喪失を認めた事例(H12.12.12東京地判)
被害者の後遺障害は高次脳機能障害であるが,その具体的な症状としては四肢の運動麻痺はなく,左手に軽度の振せんを認める以外には特に異常がない。しかし就職の点では筆記試験に合格しても面接試験で不採用になるなど未だ安定した職に就けず,就職の見込みはたっていない。また,感情抑制ができず,コミュニケーションをうまくとれないために対人関係でも問題を起こしがちである。被害者の担当できる職務内容もおのずから限定されざるを得ないものと思料される。後遺障害による労働能力喪失率は,被害者の日常生活上の不都合よりも相当大きなものと評価すべきである。
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