<弁護士交通事故裁判例>専務取締役の休業損害につき、基本給、役職手当の全収入がその労働の対価であることには疑問があるとして、賃金センサスを用いて算定した事例
2018-07-19
生活態様:パチンコ店を経営する株式会社の専務取締役
算定基礎:月額¥539,700
(H4賃金センサス企業規模計・学歴計・男子労働者40~44歳平均賃金)
被害者は基本給¥1,000,000、役員手当¥200,000の計
¥1,200,000の月収を得ていたこと、母親はほとんど営業に関わ
っていないが、基本給¥1,000,000を得ていたこと、被害者の基
本給も被害者自身が決定していたことからすると、被害者の全収入が被害
者の労働の対価であることには疑問があり、そのかなりの部分は実質的な
利益配当分であると推認できる。
休業日数:19か月
被害者の負傷内容、症状の推移、就労状況からすると、被害者は事故から
3か月間は就労不能であり、その後3か月は平均してその労働能力の80
%を失い、その後13ヶ月は平均してその労働能力の20%を失っていた
と認められる。
認容額 :¥4,317,600
(大阪地裁 平成9年6月13日判決)