<弁護士交通事故裁判例>1級3号の症状固定時33歳男子の介護費用について平均余命46年間にわたり日額1万5000円で認めた事例

2016-04-11

 被害者の症状の内容および重さからすれば,呼吸管理も含めた介護が生涯にわたって必要であること,被害者は症状固定時33歳であり,平均余命が46歳であること,被害者は本件事故後に婚姻したが,若い妻にとって後遺障害を抱える同人との生活および日々の介護は心身ともに多大な負担を強いられること等が認められる。これらの諸事実からすると,被害者の近親者が中心となって介護を行い続けることは困難であり,介護費用を算定するにあたっては,職業介護者を依頼することを原則とし,近親者が可能な範囲でその補助をすることを前提とするのが相当である。介護の負担は,損害として認められる電動車いす,自宅改造,多数の機器類により,相当軽減されると考えられる。上記事情に加え,被害者において現在まで職業介護人の代金も全て自己負担がないと認められることおよび将来の付添費について本件では生活費控除を行わないことに鑑みると,付添費としては日額1万5000円と認めるのが相当である。
(名古屋地裁平成17年5月17日判決)

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