【将棋】熊坂五段、現役続行へ試練の戦い

2015-03-23

 4月8日開幕の名人戦で初の挑戦権を手にした行方尚史八段(41)が脚光を浴びる一方で、37歳の若さで現役続行をかけて戦っている棋士がいる。中原誠十六世名人門下の熊坂学五段だ。平成14年に24歳でプロ入り。順位戦C級2組に参加したが、成績低迷で在籍限度の3年でフリークラスに陥落した。「いつも勝つか負けるか、刃先の上を歩いているようなものですから」と勝負師としての立場は自覚しているが、試練の時を迎えている。

 順位戦は名人を頂点に、A級~C級2組まで5クラスあり、C級2組で成績下位10人に付けられる降級点を3回取れば順位戦を指さないフリークラスに陥落。ここで10年以内に規定の成績をあげないと引退に追い込まれる仕組み。熊坂五段は今年度が最後の10年目。引退となれば、フリークラス制度が実施された平成6年以降最年少記録となる。

 直近の成績は22日現在、通算18勝12敗。C級2組復帰条件の一つ、勝率6割5分以上に手が届く所まで来ているが、19日の竜王戦6組ランキング戦に敗れ、今後5連勝が必要となった。

 これまで年間勝率はほぼ3割台だったが、昨年2月下旬から勝ち始めた。予選を3連勝して全国に放送されるNHK杯戦に初出場したのをはじめ、当時の森内俊之竜王にも勝ち、関係者を驚かせた。

 「好きな将棋を職業としてやれるのは幸せ。フリークラスで浮上することもなくチャンスをものにできなかったのは残念。あきらめずにプロ編入試験に合格した今泉健司さんに負けずに頑張りたい」
(産経新聞より)

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