<弁護士交通事故裁判例>将来分を含む関係費用を認めた事例

2017-01-10

被害者の義足は、その耐用年数および被害者の身体の成長に応じて取替えを必要とするものであり、被害者は成長期においては頻繁に義足の取替えをしたため、昭和58年3月までに5回(約2年半に1回)義足の取替えをしたこと、そして被害者は成長期後においては義足の取替えの頻度は少なくて済むものの、耐用年数に照らし約7年に1回の取替えを必要とすることから、被害者は昭和58年3月以降余命期間中少なくとも合計7回の義足の取替えを要すること、また被害者の義足はその使用期間を通じ少なくとも年1回程度の修理を必要とするものであるところ、被害者は既に昭和46年7月3日から昭和47年11月16日の間に修理費用として1万6520円を支出していること、そして昭和58年3月の時点における義足代および義足装着費を合わせた義足取替費は1回につき20万円、修理費は1回につき5000円であること等が認められる。被害者の義足関係費用の損害額の合計は右に認定した既に要した分および将来必要とする分を合わせると請求にかかる143万235円を下ることはあり得ないものと認められる。

(東京地裁昭和60年5月31日判決)

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