<弁護士交通事故裁判例>赤字の土木会社経営につき、事故前の収入全てを基礎収入として認めた事例
生活態様:被害者は土木会社を経営し、被害者とその妻が経営者であった。常雇いの従
業員は2名で、必要に応じて臨時雇い、被害者および妻も現場に出て作業を
担当していた。
算定基礎:年額¥4,400,000
被害者は土木会社のH12の年間売上げ¥61,490,000、被害者の
報酬¥6,000,000、妻の報酬¥3600,000、H13の年間売
上げ¥54,310,000、被害者の報酬¥6,000,000、妻の報
酬¥3,600,000、H14の年間売上げ¥24,140,000、原
告の報酬¥4,400,000、妻の報酬¥1,600,000であった。
原告の報酬はその大部分が労働の対価として見て良く、H14の売上げがH
13に比べて大幅に減少していることを考慮してH14の被害者の報酬額
440万円を基礎年収とするのが相当である。
加害者は、事故直前は被害者の会社は赤字であったから、収入がなかったと
主張したが、裁判所は、被害者夫妻が自己の財産をつぎ込んで会社の存続を
はかるか、会社に見切りをつけて廃業するかは、その相応の報酬を受領する
こととは切り離して考えるべきとして、その主張を排斥した。
休業日数:429日
事故時から症状固定まで429日間、体調不良のため労務に従事できなかっ
た。被害者は会社を解散せざるを得なかったものであるところ、事故時69
歳と比較的高齢であることを考慮すると、通院期間全部について休業するの
もやむを得なかった。
認容額 :¥5,171,506
(名古屋地裁 平成17年7月15日判決)