<弁護士交通事故裁判例>留年による授業料・実験実習料等を損害と認めた事例

2017-05-02

留年に伴う授業料等:120万8000円
 被害者は,本件事故により障害を受けたことから大学を留年し,大学に対し,1年間の留年期間中の授業料,実験実習費および諸会費合計120万8000円を支払った。これは,本件事故と相当因果関係を有する損害であると認められる。これに対し,加害者は被害者が支払った授業料等は大学における費用であり,相当因果関係の範囲内の損害としては,被害者が大学に入学した平成9年度の私立大学の平均授業料である75万7158円を限度とすべきとするが,被害者は,それまでの4年間は授業料として毎年約170万円を支払っていたが,留年期間中の授業料等は上記金額にとどまり,被害者が本件事故にあったことが考慮されたと推認されること,加害者の主張する金額は,私立大学のあらゆる学部を含めた平均額であり,被害者の支払った金額が特別高額であるとは認められず,これによれば,加害者の主張を採用することはできない。

(名古屋地裁平成15年5月30日判決)

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