<弁護士交通事故裁判例>四肢・体幹麻痺の27歳男子の訪問看護費および入浴サービス費用について退院時から余命期間にわたり損害と認めた事例
2016-03-17
被害者は,移動入浴サービスを月2回受けていてその料金は1回800円であること,同サービスは月2回しか利用できないこと,医師の往診以外にも,注射や運動療法といった医学的処置の必要性があって,訪問看護ステーションからは,週3回程度,訪問看護者の派遣を受けているが,現状では,医学的処置ではなく,月2回では足りない入浴の介助をしてもらっていること,同ステーションからの1回の派遣には少なくとも2026円を要することが認められ,これらの事実によれば,被害者の入浴のためには,移動入浴サービスを月2回,訪問看護ステーションからの派遣を月10回,医学的処置のためには,訪問看護ステーションからの派遣を月2回程度受けることが必要であると認められる。また,被害者の症状固定時の余命は50年であるが,訪問看護費は症状固定から約1年を経過した退院時典から認められる。
(大阪地裁平成15年2月21日判決)