<弁護士・交通事故裁判例>入院中の特別室使用料を事故と相当因果関係ある損害おして認めた事例
2015-06-04
被害者は体格が大きく,付添人1人では入浴の介助ができないこと等の介助の状況からすれば,病院内にトイレおよび入浴の設備があることが望ましいということができるところ,被害者が入院している病室は,電動ベッド,バス,トイレ,キッチン,テレビ,電話,および長椅子が設置された特別室で,室料差額は日額2万円とされていることが認められる。被害者の主治医は,被害者が独自の社会生活が全く不可能であることから,個室入院は当然であり,被害者の症状に照らすと,室内にトイレ,洗面および入浴の設備が身近にあることが看護のために必要不可欠であると判断していることが認められ,被害者の事故当時の職業とそれに伴う社会的地位からすると被害者が特別室に入室したことも,あながち不相当であったということはできず,被害者の症状固定日までの日額2万円の室料差額も本件事故と相当因果関係のある損害というべきである。
(大阪地裁平成3年1月31日判決)