カナダから来日したキックボクサーにつき,被害者主張の年間$150,000の賃金の2/3の$100,000を休業損害として認めた事案
2019-04-23
被害者は,カナダ在住のキックボクサーであり,世界空手道団体連合との間で,被害者は同連合からの指示に従いキックボクシングの興業を行うものとし,キックボクシングの興業を行わないことを旨とする雇用契約を結びカナダから来日した。本件は来日中の事故である。
$100,000 被害者は,連合と年間$150,000の雇用契約を結んだとするが,連合から被害者に対して年間$150,000支払われる可能性については疑問がある。事故と因果関係のある損害として,被害者主張の2/3の$100,000の限度で認めるのが相当である。
1年間100%については認めない。具体的期間について判示なし。被害者においては,右肩腿および右足関節の傷害の影響は重大である。ただし,診断書の記載から1年間キックボクサーとして就労が不可能であるとまでは認められない。もっとも契約の就労開始時期には,いまだキックボクシングができる状態になかったと認めることができ,これを理由に契約を解除されることもやむを得なかったといえるが,被害者の客観的症状に照らして,休業損害として1年分100%を認めるのは相当ではない。