<弁護士交通事故裁判例>併合4級の症状固定時32歳女子の症状固定後の付添費として,1日1000円で認めた事例

2016-06-21

 症状固定前の被害者の症状からすると,被害者には記憶障害や遂行機能障害等があり,電車に乗り間違えたりすることはあるものの,基本的には単独で外出ができており,基本的な日常生活動作は自立しており,単身での生活も可能であったことからすると,被害者に求められる付添介護の内容は,随時の看視・声掛けで十分であり,常時被害者がそれらを必要とするものではない。そして,被害者がかかる介護を要する場合は限られ,毎日,継続的に介護が必要であるとは認められない。被害者には,その生活環境の変化によっては,職業介護が必要になることがないとはいえないとしても,その介護内容や頻度に見合う,本件事故と相当因果関係のある将来の付添費は,平均すれば,1日当たり1000円とみるのが相当である。そして,付添介護が必要な期間は,症状固定時の平均余命である54年とみるのが相当である。
(東京地裁平成20年3月19日判決)

Copyright(c) 2016 ありあけ法律事務所 All Rights Reserved.