<弁護士・交通事故裁判例>病院の指示によらない3年を超える整骨院治療について9か月分につき事故との相当因果関係を認めた事例

2015-05-27

 整骨院治療の相当性については,病院の方では積極的に指示はしなかったが,病院の処置内容を見ると,病院でも整骨院への通院内容を踏まえて処置を行っていたように見られなくはないこと,被害者はそれなりに症状緩和の効果を感じていたことが認められるから,整骨院治療についても本件事故との因果関係は認められる。しかしながら,本件事故時の被害車両の損傷が極めて軽微であること,被害者が事故の翌日夕方になって病院を訪れたという経緯,病院ではレントゲン検査以外に検査がなされておらず,処置も湿布薬と症状に合わせての痛み止めの処方のほかに特段の処置もなされず,事故から1年半経過した時点で診断書発行の要請を受けて初めてレントゲン検査以外の検査を行っていることを総合すると,被害者の傷害内容は軽微なものと認められる上,自宅に近いという理由で整骨院に通院を継続し,整骨院での治療の内容,頻度,程度についてまで病院が適切に把握した上で治療を行っていたのか疑問なしとはしないことなどに照らせば,事故と相当因果関係を有するのは事故から9か月までの治療であると認めるのが相当である。
(大阪地裁平成16年7月30日判決)

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