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<弁護士・交通事故裁判例>介助なしには日常の基礎的動作をなすことが不可能になった被害者が医師の指示で入居した完全看護の老人ホームにつき,その介護料(入居料)の7割を事故による損害と認めた事例
被害者が事故前は心身ともに健康であったこと,事故による重篤な症状のため自宅での介護は到底困難な状態にあったと認められることに照らすと,Bへの入居による支出のうち,食費などの経費を控除した7割の額を,必要な治療費ないし介護料として本件事故による損害と認めることが相当である。
(東京高裁平成7年2月28日判決)
<弁護士・交通事故裁判例>1級の後遺障害を残す被害者の将来の介護費として,被害者の状態に鑑み1日当たり4500円を平均余命である56年にわたり認めた事例
被害者は両下肢完全麻痺,暴行直腸障害等があり,排尿,排便,入浴等について独力でなすことができないが,入院中の状態からすると,自宅を改造すればある程度自分で出来るようになると推認できること,被害者は車椅子の操作ができ,他人に運転席に乗せてもらえれば自動車を自ら運転可能な程度に自立した状態にあることにより,同人には介護の必要性はあるものの,四六時中付きっきりでの介護を必要とするものとはいい難く,その費用は1日4500円をもって相当と認め,症状固定日における平均余命56年間分を将来介護費として認める。
(東京地裁平成6年11月17日判決)
<弁護士・交通事故裁判例>介護用物件につき使用頻度,耐用年数等を考慮して損害額を決め,合わせて介護をする母親の健康面を考慮して将来の介護費を決めた事例
被害者を介護出来るのは母親だけであるところ,その母親もくも膜下出血を発症し,2度の手術を経て頭痛,ふらつきなどの後遺症を残している。このような事実のもとで母親が精神的肉体的に負担の重い介護をいつまで継続出来るか予断を許さない状態である。そこで,母親50歳時までの6年間は日額5000円,その後被害者の平均余命に至るまでの49年間は日額1万1560円(職業付添人の費用)の付添介護費を認めるのが相当である。
(大阪地裁平成6年9月29日判決)
<弁護士・交通事故裁判例>1級の後遺障害を残す被害者の将来の付添看護費として,1日当たり2500円を平均余命である52年にわたり認めた事例
被害者は退院後,自宅での生活に際し,家族による付添看護が必要であり,その1日当たりの費用は2500円と認めるのが相当である。
被害者の平均余命は少なくても52年あるので将来の付添看護費の本件事故当時の現価は次のとおりである。
2500円×365×(25.5353-0.9523)=2243万1987円
(大阪地裁平成6年9月13日判決)
<弁護士・交通事故裁判例>併合1級の少年の将来の介護料につき,母親の仕事,年齢を考慮して一定期間につき近親者介護料に代えて職業付添人の介護料を認めた事例
養護学校卒業後自宅療養となる平成7年4月からは,中学校教員のは保谷が60歳の定年に達するまでは年間で平日の240日間は職業的介護人(1日1万6800円の介護料)による介護料を,125日の休日については近親者(1日4500円の介護料)による介護料
母親定年後から70歳に達する翌春までの10年間は近親者(1日4500円の介護料)による介護料
それ以降被害者が平均余命に達するまでは母親が高齢であるため近親者による介護は無理であり職業介護人(1日1万6800円の介護料)による介護料
(東京高裁平成5年5月26日判決)
<弁護士・交通事故裁判例>退院後の付添看護費用(1日5000円)を事故と相当因果関係ある損害として認めた事例
被害者の母親は,被害者が入院中鬱状態になったこともあって精神科担当医師の指示に基づき合計331日にわたって被害者を外泊させて付き添ったり,また指定された授業参観もしくは面会のために医療機関に赴いて被害者に付き添った。
また,被害者の両親は,退院後1663日間について被害者を常時介護していた。
本件損害としての付添費は,1日当たり5000円と認めるのが相当である。
(神戸地裁平成5年4月30日判決)
<弁護士・交通事故裁判例>後遺障害1級の被害者の将来の看護費につき81歳まで1日4500円の割合によるとし,入園中の養護ホームの費用を基準にしないとした事例
被害者の後遺障害の内容,程度,同人の全日常生活の動作,活動には第三者の全介助を必要とすること,同人は症状固定時に66歳でその平均余命は15.21年であることより,将来の看護費として被害者の81歳まで1日当たり4500円の割合で認めるのが相当である。
被害者は病院を退院後特別養護老人ホームに入園して現在に至っているが,被害者の現在の介護は老福法に基づく福祉措置で,そこで要する費用は,市により決定されるものであり(老福法28条1項)私法である損害賠償法とは別個の法関係であるし,そこにおける徴収金の金額自体も一定しておらず,被害者の同老人ホームにおける入園生活も前記看護期間中継続されるという完全な保証もない。しからば被害者の同老人ホームにおける費用をもって将来の看護費算定の基礎金額とするのは相当でない。
以上より,被害者の将来の看護費の現価額をホフマン式計算法で算定すると(4500円×365)×10.584=1738万4220円(過失相殺前)である。
(神戸地裁平成5年4月28日判決)
<弁護士・交通事故裁判例>四肢麻痺および無呼吸の被害者の将来の看護費等につき定期金による請求を認め,1か月当たり60万円の将来の付添看護費を認めた事例
被害者が定期金としての支払を選択した場合で,将来給付を求める必要がある場合には定期金による支払も認められる。本件では,職業付添婦による付添費用が将来的に定額化に向かうことはないと推認されること,被害者が将来にわたり入院を継続する蓋然性が高いことなどより,将来の付添看護費として,死亡に至るまで1日当たり2万円程度として計算した1か月当たり60万円を認める。なお,被害者は,付添看護費の年4%の割合による増額を主張するが,職業付添人の費用が将来にわたってこの割合による増額が続くかは全く不明なので,この主張は採用しない。
(大阪地裁平成5年2月22日判決)
<弁護士・交通事故裁判例>両下肢完全麻痺の被害者に,少なくとも入浴,排便につき一生介護が必要なので,1日当たり2500円の介護費を平均余命の57年間認めた事例
被害者は,最低限度として入浴,排便時には介護が必要であり,この介護は一生必要mであると推認される。また将来的に床ずれ等のための入院も1度ならず予想され,その他の事情も併せて考慮すると,介護費は1日当たり2500円が相当であり,退院時以降平均余命の57年にわたり上記程度の介護費を必要とするのでホフマン式計算法によりその現価を算定
(大阪地裁平成4年11月26日判決)
<弁護士・交通事故裁判例>乳頭部以下の体幹および両上肢の運動・知覚完全麻痺の被害者に平均余命の終期まで1日当たり5000円の割合で将来の介護費を認めた事例
被害者は,ベッドで食事を摂ったり,字を書いたり,片手ずつで洗面することは出来るが,1人で立ったり,体位を変換したり,排便は出来ない状態なので,将来とも介護が必要で,その費用としては退院後平均余命の終期まで54年にわたり1日当たり,5000円を要するものと認めるのが相当である。
身障者用便器代,身障者用洗面化粧台代,被害者居住の1階のガス風呂湯沸し器代,バス代等を損害として認める。
エレベーター工事費については,その便宜が被害者以外の者についても生じることにより,費用の半額を損害として認める。
(大阪地裁平成4年11月26日判決)