Archive for the ‘未分類’ Category

後遺障害による逸失利益について15%の労働能力喪失を認めた事例(H8.1.19神戸地判)

2021-08-31

被害者には,本件事故により併合7級という相当重い後遺障害が残ったが,大学卒業後も資格を目指して勉強し,数年間収入は得られないがいずれ資格を取得すると後遺障害による支障が相当残るものの収入にはあまり影響がないと予測されることや後遺障害の内容,程度,年齢等を考慮するとH6.4から67歳までの44年間,15%程度の労働能力を喪失したとみるのが相当である。

別件交通事故によって死亡した被害者について,後遺障害による逸失利益の発生が中断することはないとして死亡後の逸失利益を認めた事例(H5.9.19東京高判)

2021-08-23

障害等級12級の後遺障害を負った被害者が,別件交通事故で死亡しても,後遺障害による逸失利益の発生が中断することはないとして,死亡後の逸失利益を認定(被害者は本件事故に基づく後遺障害により右14%の労働能力を喪失したことにより,本件事故と相当因果関係のある損害として逸失利益が生じたものであって,別件事故による死亡ではこれを除いた残りの労働能力が失われたことになるのであるから,別の交通事故によって死亡したとしても右逸失利益の発生が中断するということはできないと判断)

事故後,高校を退学してスーパーに勤務をしていた被害者について,67歳まで79%の労働能力喪失を認めた事例(H5.5.21神戸地判)

2021-08-16

高校を退学後,被害者はスーパーでパート勤務をしているものの,同人に対する雇用の実態は障害者福祉を目的としたものであり,同人に対する給与も,健常者の労働の対価というよりはむしろ社会福祉的要素がが強いものであることなどを勘案して,18歳から67歳に達するまで79%の労働能力を喪失しているものと判断

中学3年生女子の高次脳機能障害について賃金センサス学歴系女性全年齢平均賃金で認めた事例(H17.11.25大阪地判)

2021-08-10

被害者は本件事故により頭部外傷Ⅲ型等の傷害を負い,当初意識障害の症状が起きていたこと,事故後,動作性知能指数の低下,軽度の物忘れ症状,集中力の低下などがみられること,自賠責保険における後遺障害認定で9級4号の認定がなされていることに鑑みれば,原告の後遺障害は,神経系統の機能または精神に障害を残し,服することができる労務が相当な程度に制限されるものとして,9級10号に該当する。なお,上記の後遺障害は頭部に外傷を負ったことによる器質的な病変によってもたらされたもので,事故当時あるいは事故後原告に現れている非器質的の精神症状を評価に加えたものではないから,被害者が本件事故当時,既に心身症と診断されていたとしても,判断に影響を与えない。また,被害者の前頭部の生え際に4cmの線状痕が残ったことは前記のとおりであるが,労災の認定基準における外ぼうの醜状とは,頭部については鶏卵大面以上の瘢痕等をいうとされているところ,原告の線状痕はこの基準を満たしていないこと,ピンで髪を留めれば隠すことができる傷痕であることに鑑みれば,慰謝料の認定に当たって考慮することは別として,前記認定を左右するに足りない。

中学生の脾臓摘出による後遺障害の逸失利益について,18歳から67歳までの49年間にわたる労働能力喪失を認めた事例(H5.8.6神戸地判)

2021-08-02

被害者は,就労可能となる満18歳に達した後においても,本件後遺障害としての前記症状が継続し,それにより同人の選択する職業の種類,条件等が制約されるものと推認することができ,これにいわゆる労働能力喪失表を参酌して考えると,同人は,満18歳から67歳までの49年間にわたって,その労働能力を40%喪失することになると認めるのが相当であると判示。

14級5号の症状固定時8歳男子の逸失利益について賃金センサス男子全年齢平均賃金を基礎として労働能力喪失率5%で49年間認めた事例(H26.8.27東京地判)

2021-07-27

左足背部の植皮術後の瘢痕について14級5号の認定を受けた。被害者の年齢に照らし,将来的に肢体の美観が就労に影響する職業に就く可能性は十分にあるというべきである。被害者の後遺障害は左足の側背部の瘢痕であり,目立つ場所にあるとはいえないものの,服装如何によっては外部から見える場所にあることを考慮すれば,5%の限度で,後遺障害による就労の機会喪失および就労上の不利益を受ける蓋然性があると認めるのが相当である。

併合3級の女子小学生の逸失利益について賃金センサス学歴計の全労働者・全年齢の平均賃金をもとに認めた事例(H9.4.26大阪高判)

2021-07-19

被害者の後遺障害としては,醜状瘢痕につき7級12号,高次脳機能障害につき5級2号に該当すると認められる。被害者が現在は大学に就学し,単独で自宅から公共交通機関を用いて通学していること等に照らせば,その労働能力を完全に喪失したとまでは認め難い。

【算定基礎】年額¥4,854,000-(H16賃金センサス産業計・企業規模計・学歴計の全労働者・全年齢の平均賃金)被害者が症状固定時に義務教育課程に就学していたことやその性別等に加えて,被害者が高次脳機能障害を残しながらも,学校での勉学・部活動に励み,高校・大学に進学し,現在も懸命に大学での就学に努力していることから窺われる被害者の本来有していた能力・意欲・家族の支援からすれば,本件事故にあわなければ大学を卒業して就職し得たであろうことが容易に推認されること等に照らせば,全労働者平均賃金を基準とするのが相当である。

小学生の後遺障害による逸失利益について100%の労働能力喪失を認めた事例(H12.2.9大阪地判)

2021-07-12

被害者は事故後,H11.4大学に進学し,自宅から通学していることも認められ,就職の可能性もあるが,その後遺障害の内容からすると,就職し,収入を得ることができるとしても,それは被害者の人並み以上の努力を要することが十分に推認できるから,逸失利益の算定に当たっては労働能力喪失率は100%とすべきである。

症状固定時14歳の被害者の逸失利益について,100%の労働能力喪失を認めた事例(H5.5.26東京高判)

2021-07-05

被害者の後遺障害については,自賠責保険より併合1級の認定を受けていること,頭部外傷後遺症としての正常圧水頭症,精神障害,外傷後癇癪があり,将来とも労働能力は完全に失われているほか,常時介護または監視が必要であること等より,67歳まで100%の労働能力喪失を認めることが妥当と判断した。

この命を大切に

2020-04-27

今,新型コロナウイルス感染症の脅威により,市民の生命と健康が脅かされています。
さらに,外出自粛要請や休業要請などにより,市民生活は逼迫し,失業も急増しています。
医療従事者の方々におかれては,感染の危険に身をさらして医療崩壊寸前の状況で昼夜奮闘されておられます。
このような窮状を目の前にして,私たち弁護士にできること・・・。
それは,市民の皆様の司法アクセス(法的な救済の道)を閉ざさないことだと考えています。
どうか希望を失わないでください。
私たち人類には,あらゆるウイルスや疫病との闘いを乗り越えてきた長い歴史があります。
その歴史の延長線上にいる私たちに,今回の危機を乗り越えられないはずはありません。
私たち1人1人が,人類の祖先たちが生き抜いてきた類いまれなる命を受け継いできたのです。
生きたくても叶わない命がある中で,自らのこの命を大切にしてください。
いつの日か,光は必ず見えてきます。

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