未払残業代,未払退職金等について

 

1 給料(賃金)未払い

労働基準法上,労働者には,毎月決まった給料(賃金)が支払われる権利があります。

給料(賃金)の未払いの場合,企業については罰則が科せられています。
この場合,労働者としては,裁判等で未払い給料(賃金)を請求できるほか,これとあわせて付加金や遅延損害金を請求することもできます。

ただし,給料(賃金)請求権は2年で時効となってしまい,2年以上前の給料(賃金)については時効により消滅してしまい,請求することができなくなるので注意が必要です
 

2 残業代未払い

労働基準法では,法定労働時間(原則として1日8時間,1週40時間)を超えて労働した場合や休日に労働した場合には,割増賃金を支払わなければならないと定めています。
残業の場合は25%の割り増し,休日労働の場合は35%の割り増しとなり,残業が深夜(午後10時~午前5時)に及んだ場合にはさらに25%の割り増しとなります。

ただし,労働者が管理監督者に当たる場合には割増賃金は発生しませんが,管理職の方であっても,いわゆる「名ばかり管理職」として,管理監督者ではないと判断された場合は,残業代の支払いが認められることがあります。

割増賃金は以下の計算方法によって算出されます。
残業代=(所定給料)÷(月の所定労働時間)×1.25(休日労働の場合は1.35,深夜労働の場合は1.5,休日深夜労働の場合は1.6)×(残業時間数)

割増賃金についても,給料(賃金)と同じように,未払いの企業には罰則が科せられます。
割増賃金についても,給料(賃金)未払いの場合と同じように,訴訟(裁判)等で割増賃金を請求するほか,労基署に是正を求めることができます。

労働者がどれだけ残業・時間外労働をしたのかが問題となりますので,タイムカードなどにより労働時間・残業時間を記録しておくことが重要です。

なお,残業代も,2年たてば時効により消滅し,請求できなくなります。
 

3 退職金の不支給

就業規則等において退職金規程が定められている場合には退職金が支給されることになります。
もっとも,退職金規程がなくとも,退職金を支給することが慣行となっている場合などには,退職金の支給を求めることができる場合があります。

また,懲戒解雇の場合などに退職金が支払われない場合がほとんどですが,そのような取扱いは,あらかじめ退職金規程等において明文で定められていることが前提となります。
そのため,退職金の不支給の問題については,勤務先の就業規則や退職金規程がどのようになっているかかが重要となります。

退職金は,5年たてば時効により消滅し,請求できなくなります。

 
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