<弁護士交通事故裁判例>右上腕の醜状痕につき後遺障害の慰謝料を認めた事例

2016-12-07

被害者には、右上腕に長さ14センチメートル、幅1.5ないし3センチメートルにわたる瘢痕とそのうち長さ4.5センチメートル、幅3センチメートルの暗紫色のケロイド状醜状痕及び知覚異常が残った。被害者は瘢痕形成術を希望し、その手術代は70万円と見積もられる。しかし、右形成術を行っても、どの程度回復するかを知る確たる証拠はなく、担当医師が将来の手術が必要とまでは述べていないことに鑑みれば将来の手術の必要性を認めるのは困難である。むしろ、この瘢痕は固定した後遺障害と認め、慰謝料として考慮するのが相当である。右醜状痕の程度、被害者は瘢痕を隠すために夏期でも長袖を着用していること、将来において手術費用を出費すべき不安感等の一切の事情を斟酌すると、右醜状痕に対する慰謝料としては60万円が相当である。
(但し、最終的には被害者に20%の過失相殺を課している)

(東京地裁平成6年11月8日判決)

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