<弁護士交通事故裁判例>高次脳機能障害の症状固定時21歳男子の将来介護費について日額2000円で平均余命まで認めた事例
2016-06-01
被害者のADLは自立しており,自主的に行動できているため,全面的に看視・声掛けを要するような場合と比較すると,介護者の負担は必ずしも大きいとはいえない。ただし,被害者には,ガスコンロの火を消し忘れる,外出先で突然走り出したりするといった危険な場面が過去にあったこと,障害の認識が欠けていることなどを考慮すると,屋内,屋外を問わず1人にすることなく,危険防止のためにその行動を随時看視することが被害者に必要な介護の内容と認められる。そして,介護者として被害者の家族が予定されていることも考え合わせると,付添費としては日額2000円が相当である。したがって,将来介護費としては,被害者の平均余命57年間について日額2000円による付添費を認めるのが相当である。
(大阪地裁平成19年9月26日判決)