民法の契約分野、120年ぶり抜本改正を答申

2015-02-25

 法相の諮問機関「法制審議会」は24日の総会で、民法の債権に関する規定を抜本的に見直す要綱を決定し、上川法相に答申した。

 企業や個人の契約ルールなどを定めた債権関係規定の大幅な見直しは、1896年(明治29年)の民法制定以来初めて。インターネット通販や保険などの契約で事業者が消費者に示す「約款」に関する規定の新設や、法定利率の変更などが柱だ。法務省は3月末に同法改正案を国会に提出する。

 要綱の改正項目は約200に及ぶ。民法制定から約120年の間に生じた、社会や経済情勢の変化に対応する内容を盛り込んだ。

 事業者が不特定多数の消費者と画一的な条件で契約する際に用いる約款は現在、法的な位置付けが曖昧だ。買い手がほとんど読まずに契約し、後でトラブルになるケースも多い。要綱では、事業者があらかじめ約款に基づく契約であることを表示していれば、消費者が約款を理解していなくても合意したと見なすとした。だが、消費者の利益を一方的に害する項目は無効とするとの規定も設けた。
(読売新聞より)

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