大学院生の就職後の後遺障害逸失利益の算定に当たり就職先企業のモデル年収ではなく賃金センサスを用いて計算した事例(H21.2.26大阪地判)
2022-01-17
被害者は足に後遺障害を残しているために営業職や生産現場等の一定の部署を経験し難いことが予想され,それ故に将来の昇進・昇格について同僚と比べて相対的に不利益な取り扱いを受けるおそれがないではないから,財産上の損害があるというべきである。ただし,その不利益の程度は明確に把握し難いうえ,被害者の勤務先が上場企業であることから転職の可能性も低いと予想されること等の諸事情も考慮すると,その逸失利益算定については症状固定時において労働能力の10%を喪失したものと認めるのが相当である。また,基礎年収額については,勤務先が上場企業であり,被害者が転職する可能性は低いと予想されるけれども,同社のモデル年収一覧表記載の通り昇格していくのか不確実であることは否定できないから,同社の大卒社員の平均賃金を採用するのは相当でない。男子労働者・企業規模1000人以上・大学・大学院卒の平均賃金額を基礎収入額とするのが相当である。

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