<高1自殺>「予見は不可能」津地裁が父親の訴え棄却

2015-03-05

 2009年3月に自殺した三重県伊勢市の私立皇学館高1年の男子生徒(当時16歳)の父親が、自殺は学校でのいじめが原因として、当時の同級生やその両親、担任教諭ら23人と同校を相手取り、慰謝料など計約1億800万円の損害賠償を求めた民事訴訟の判決が5日、津地裁であった。坪井宣幸裁判長は「自殺の予見は不可能」として、原告側の請求を棄却した。

 訴訟で原告側は「同級生らが男子生徒を中傷し、学校側もいじめを漫然と放置させた」などと主張。一方、被告側の学校は中傷などの行為と自殺の因果関係はないとして、請求棄却を求めていた。

 生徒が同市の自宅で首をつって自殺した後、同校は校内で聞き取り調査などを実施。生徒が嫌がるあだ名を付けられたり、消しゴムのかすを投げつけられたりするなどのいじめを受けていたとした。

 坪井裁判長は判決で元同級生らの行為について「客観的に友達同士のいたずらの域を出ず、自殺を予見することが可能だったとは言えず、過失は認められない」とし、学校側についても「教諭らの注意義務違反は認められない」とした。
(毎日新聞より)

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