<接見交通権>「画像撮影は含まれず」地裁小倉支部判決

2015-02-27

 福岡拘置所小倉拘置支所(北九州市小倉北区)で接見中に撮影した被告の画像を支所側の要請で消去させられたのは接見交通権の侵害に当たるとして、福岡県の田辺匡彦(まさひこ)弁護士(61)が国に330万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁小倉支部は26日、請求を棄却した。田辺弁護士は控訴する方針。

 野々垣隆樹裁判長は「撮影は接見交通権に含まれず、面会室での撮影禁止が弁護活動を不当に制約するとまでは言えない」と述べた。

 判決によると、田辺弁護士は2012年2月、被告に「支所職員から暴行を受けた。証拠に残してほしい」と言われ、携帯電話のカメラ機能で被告の顔を撮影したが、支所職員に消去を求められ、その場で画像を消去した。

 田辺弁護士は判決後「撮影に伴う拘置所側の弊害すら示しておらず、極めて不当な判決」と話した。法務省は「国の主張が認められたと理解している」としている。

 接見時の写真撮影の適否を巡る判決は昨年11月の東京地裁に続き全国2例目。東京地裁は「被告らを撮影して記録することは必要不可欠とまでは言い難い」と判断した一方、途中で面会を中止させた行為は接見交通権の侵害に当たるとして国に10万円の賠償を命じた。
(毎日新聞より)

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