<弁護士交通事故裁判例>保険会社に弁護士費用の支払義務を認めた事例
2017-05-12
弁護士費用:140万円 (請求:180万円)
被告保険会社は,本件保険契約(被害者がその所有の自動二輪車を被保険自動車として締結した自動車総合保険の無保険車傷害保険契約)の保険金請求権者である被害者が被告保険会社を相手取って保険金請求を行ういわゆる「保険訴訟」に関する弁護士費用については負担する必要がない旨主張する。確かに,本件保険契約上,被告保険会社が自己を相手とする訴訟の弁護士費用について,「保険給付」を予定していると解することには無理がある。しかしながら,被害者が,本件のように任意で履行しない賠償義務者に対し訴訟を提起・遂行している場合には,被害者が右訴訟で負担した弁護士費用のうち相当因果関係にある140万円は,賠償義務者が法律上負担すべきものとなるから,被告保険会社は,本件契約約款第3章第9条1項(保険会社が保険金を支払うべき損害の額は,賠償義務者が被害者の被った損害について法律上負担すべきものと認められる損害賠償責任のがくによって定める)に基づき,被害者の損害として,被害者に対し,140万円を支払う義務があるものと解すべきである。
(大阪地裁平成7年10月31日判決)
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