<名人戦>七番勝負第1局前夜祭 「全力」「誇り」両雄語る

2015-04-08

 将棋界の最高峰をかけて争う第73期名人戦七番勝負第1局(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、藤田観光協力)は8日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で開幕する。昨年名人位に返り咲き、通算9期目の獲得がかかる羽生善治名人(44)に、行方尚史(なめかた・ひさし)八段(41)が初挑戦する。

 対局に先立ち7日夕、ホテルで前夜祭が開かれ、約400人が出席した。朝比奈豊毎日新聞社社長が「大山康晴十五世名人の弟子にあたる行方八段が、羽生名人に挑戦することで将棋ファンにとっては楽しみな対戦となりました。力のこもった勝負を期待します」と主催者あいさつ。続いて渡辺雅隆朝日新聞社社長、谷川浩司日本将棋連盟会長、藤井基之副文部科学相、金子好久大和証券グループ本社執行役員が激励し、3月末で引退した内藤国雄九段が乾杯の音頭を取った。

 行方は「厳しい戦いになることは承知していますが、全力を出し切って勝ちたい」と抱負を述べ、羽生は「この舞台に立てることは名誉であり誇りです。ふさわしい内容の将棋を指したい」と今期に臨む決意を語った。

 行方は、挑戦権を争うA級順位戦で23年ぶりの4者によるプレーオフを勝ち抜き、初挑戦を果たした。40代での名人戦初挑戦は第29期の故灘蓮照(なだ・れんしょう)八段(当時)以来。

 名人戦七番勝負は第69期から4期連続で、十九世名人の資格を持つ羽生と十八世名人の資格を持つ森内俊之九段の対戦が続いたが、5期ぶりに新顔の挑戦となった。

 対局は8日午前9時開始。午後6時半に指しかけとなり、9日に指し継がれる。持ち時間は各9時間。立会は塚田泰明九段、解説は田村康介七段、記録は川崎直人三段がつとめる。
(毎日新聞より)

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