<弁護士・交通事故裁判例>インプラント費用を損害と認めた事例
2015-05-13
被害者は,本件事故により歯牙の一部を欠損したこと,一旦歯冠補綴の治療が行われたものの,その後,インプラント治療の希望があったため,平成15年12月14日からインプラント治療を行ったこと,上記インプラント治療等のため,同日から平成18年7月13日までの間に,合計31万8680円の治療費を支出したこと及びインプラント治療費は,最終的には,上記支出額に加え,少なくとも50万円必要であることが認められる。そして,証拠によれば,被害者の歯牙欠損部の治療に関しては,①インプラント,②可撤性部分床義歯および③ブリッジの3つの方法が考えられるところ,②については,被害者には四肢麻痺があるため,誤嚥・誤飲のリスクがあり,③については,健全歯削合を要し,二次う蝕のリスクや,支台歯への力学的負担が大きいことなどから,治療法として必ずしも適当ではなく,①が望ましいことが認められる。以上によれば,インプラント費用は,本件事故と相当因果関係がある損害として,今後支出が認められる金額を含め,合計81万8680円を認めるのが相当である。