高校生である被害者の歯牙損傷に係る後遺障害逸失利益計算例(H21.1.30大阪地判)
2021-10-11
被害者は,本件事故より14歯以上の歯科補綴が必要になったことが認められる。被害者は現に歯科補綴を受けないまま別の事故により死亡したものであると認められるが,歯の損傷という障害内容に照らすと,仮に被害者が死亡していなければ症状がより改善していたものと認めることができないから,被害者は後遺障害等級10級4号の後遺障害を残していたものと認めることができる。また,後遺障害の内容が歯の欠損等であり,歯科補綴によりある程度機能が回復することなどにも照らすと,後遺障害等級10級4号に該当するからといってただちに27パーセントの労働能力喪失があったとみることには疑問があるので(醜状障害におけると同様),20パーセントの限度で労働能力の喪失を認めることが相当である。