伊万里・小3溺死 初公判で市職員ら無罪主張

2015-02-04

 伊万里市で2010年7月、農村キャンプに参加した小学3年の男児=当時(8)=が川に溺れて死亡した事故で、業務上過失致死罪で在宅起訴された市職員ら5人の初公判が3日、佐賀地裁(杉田友宏裁判長)であった。

 全員が「事故は予見できず、注意義務違反の過失責任はない」などと無罪を主張した。

 起訴されたのはいずれも事故当時の市観光課長池田博志被告(60)▽同課副課長桑本成司被告(54)▽同課係員多賀桜被告(46)▽伊万里グリーンツーリズム推進協議会副会長鴨川幸司被告(58)▽同協議会幹事長幸松傅司被告(62)。

 検察側によると、5人は市観光課が事務局の同協議会主催の農村キャンプで川遊びした際、適切に計画を立てて引率者に周知したり、監視態勢が整うまで児童が川に入るのを防ぐ注意義務を怠ったため、監視がないまま児童17人が泳ぎ始め、男児が溺れて死亡した。

 検察側は冒頭陳述で、キャンプは官民共同事業だったとして「川遊びの危険性を認識していたのに必要な安全措置をとらなかった」と主張。一方、弁護側は職員の弁護士が「地元が主体的に運営し、指示を受けていた」と主張したのに対し、住民の弁護士は「計画立案は市が行い、キャンプ中も市のペースで進んでいた」と実施主体や役割分担をめぐる対立も見られた。

 被害者参加制度で公判参加した男児の父親は「地元と市の間での責任の逃れ合いという構図で、とても悔しい」とのコメントを出した。遺族側は同協議会に損害賠償を求め、同地裁で民事訴訟も争っている。
(佐賀新聞より)

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