一票の格差 改革進まず 13年参院選26日最高裁判決
「1票の格差」が最大4.77倍だった2013年7月の参院選は法の下の平等を定めた憲法に反するとして、全国の有権者が選挙無効を求めた16件の訴訟の上告審判決が26日、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)で言い渡されます。大法廷は10年参院選と、09年、12年の衆院選を「違憲状態」と判断し、選挙制度の抜本改革を求めたが見直しに至っていません。司法軽視ともいえる事態が続く中、どこまで厳しく踏み込むか注目されます。
参院の選挙区は都道府県を単位として3年ごとに半数が改選されます。人口の少ない県にも最低2議席が配分されるため格差が大きくなりやすいのが現状です。最高裁はこうした特徴を考慮し、参院の格差に寛容とされてきましたが、最大格差が6.59倍まで広がった1992年選挙について、参院選では初の違憲状態という判断を示しました。
その後は合憲判断が続き、5倍前後の格差が常態化してきました。大法廷は04年選挙の判決で「国会は制度の枠組み見直しも含めて検討を続けるべきだ」、07年選挙で「現行制度の見直しが国会で速やかに行われることが望まれる」などと指摘するなど、再三警告を発してきました。
そして、最大格差5.00倍だった10年選挙について、12年に参院選で2度目の違憲状態判決を言い渡し、「都道府県を単位とする方式を改める必要がある」と抜本見直しを求めました。しかし、国会は複数の県にまたがって一つの選挙区とする「合区」を見送り、選挙区定数の「4増4減」にとどめたまま13年選挙が実施されました。
これに対する16件の高裁判決のうち、広島高裁岡山支部は参院選で初めて「違憲・無効」判断を示し、「国会が改革に真摯に取り組んでいたというには大きく疑問が残る」と批判。他は「違憲・有効」が2件、「違憲状態」13件で、合憲判断はありませんでした。
衆院選でも2回連続「違憲状態」判断が出ながら、抜本見直しがされないまま解散を迎えました。12月14日の投開票後に、弁護士グループが提訴を予定しているとのことです。