<弁護士交通事故裁判例>高次脳機能障害の67歳女子の将来の介護料について日額1万円で平均余命まで認定した事例

2016-05-19

 被害者の高次脳機能障害の程度は高度ではあるが,全面的に介護を要する状態であるとはいえない。もっとも,具体的な介護の状況については,身の回りの処理動作に関しては声掛けを要する程度であるにしても,外出には必ず付添が必要な状態であり,感情の起伏や感情的な言動,易刺激性等の情緒面の障害も少なからず認められるほか,夜間もすぐに目が覚めるなど,介護者にとって肉体的,精神的な負担は決して軽いものとはいえない。さらに,夫は,現在67歳であり,左膝関節炎等の持病を有していること,長男は身体障碍2級であり,二男はうつ病を患っていることより,将来,職業人介護者の援助を要する状態であるといえる。介護保険制度が一定程度なされていることを踏まえても,1日当たり1万円とする主張は高額に過ぎるとまでは言い難い。
(東京地裁平成19年2月14日判決)

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