<弁護士交通事故裁判例>自宅新築費用について事故との因果関係を認めた事例

2017-03-03

被害者の後遺障害につき、昇降用エレベーターおよび入浴用リフトの設置、建物の車椅子使用への改造などが必要となったが、被害者の旧住宅は古い建物で構造的にも改造には無理があったことが認められる。よって、既存家屋の改造ではなく、障害者用設備を備えた建物を新築することは相当といえる。よって、その費用のうち、加害者側に負担を命ずべき金額について検討するに、加害者側の作成にかかる鑑定書によれば、まず、直接的な障害者用仕様の工事費として467万1030円が必要であると認められる。そして、建物全体についても、障害者用仕様部分に関係のある限度で加害者側にその負担を命ずるのが相当であるから、新築建物費の2235万円に、「建物全体の建築費2800万円を分母とし、障害者用仕様部分467万1030円を分子とした割合」を乗じた金額(362万4913円)をもって、被害者の障害と因果関係がある建築費とする。
以上のとおりであるから、その合計額829万5943円が新築に伴う損害額である。

(神戸地裁平成13年7月4日判決)

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