<弁護士交通事故裁判例>将来の義足代として12回分の買換え費用を認めた事例

2017-01-30

義足代金が平成5年度価格で55万500円であること、部品のうち耐用年数が最長のものでも5年と設定されていることが認められ、平均余命の間、1回購入した後に、少なくとも、5年に1回計12回買い替えることが必要であるとしてライプニッツ係数をもとに計算
加害者らは、東京都から公的給付ないし修理を受けられるから 被害者には損害がない旨主張するが、それは身障者の申請を基礎とし、東京都がその年齢や所得、障害内容等を審査したうえで給付されるものであり、将来にわたって被害者の請求に係る義足が確実に給付されるか否かは未定であること、仮に確実に給付を受けられるとしても、そもそも、かかる公的給付を利用するかまたは加害者から損害賠償を受けて賄うかは被害者の選択に委ねられるべきであり、加害者らの主張は、被害者に公的給付による義足の取得を押しつけることによって都民の税金で支えられる福祉施策に自らの責任の一端を肩代わりさせ、当然に支払うべき賠償金の一部を免れようとする、著しく妥当性を欠く失当なものというべきであり、採用できない。

(東京地裁平成8年3月27日判決)

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