<弁護士交通事故裁判例>併合2級の症状固定時26歳男子の将来介護費として母親が67歳に達するまでは1日3500円,その後平均余命に相当する期間は1日1万5000円で認めた事例

2016-06-27

 被害者は,症状固定後も就労は不可能であり,社会適応力に欠けるものの,日常生活はおおむね独りでこなせること,親しい者以外に対して暴力を振るう具体的危険性までは認められないことから,常時の介助はもとより,常時の看視,声掛けをするまでの必要はないものと認められる。そうすると,被害者については,随時看視や見守りが必要な状況にあると認められる。また,現況では,被害者の介護は,すべて母親または父親が行っているものの,介護の負担が過重になりつつあり,相当な精神的負担もあるものと考えられる。以上によれば,被害者の症状固定後母親が67歳に達するまでの9年間は,近親者による介護が実施されることを原則とし,一部職業介護人による介護が併用されることを想定し,母親が67歳に達した後被害者が平均余命に相当する期間までは,専ら職業介護人による介護が実施されるものと想定することが相当である。前者については1日3500円,後者については1日1万5000円として算定することを相当と認める。
(大阪地裁平成20年4月28日判決)

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