ネット不正送金、被害額4倍増 大阪府警、8割超がウイルス感染原因

2015-02-03

 大阪府警が平成26年1年間に認知したインターネットバンキングの不正送金事件が187件で、被害総額は3億2444万円に上ったことが3日、府警への取材で分かった。いずれも過去最悪で、被害額は25年(8012万円)の約4倍に急増。ウイルス感染による被害が大半といい、府警は「ウイルスが進化し、パソコンが感染していることに気付けない利用者が多い」と注意を呼びかけている。

 府警によると、25年の法人被害は2件で282万円だったが、26年は26件で1億4714万円に上った。個人の被害も106件7730万円が、161件1億7730万円へ増加した。

 府警は被害者からパソコンの任意提出を受けた153件を解析。手口別では、何らかのウイルスに感染したことによるものが132件(86・3%)と大半。偽メールで指示された偽サイトにアクセスするとIDなどが盗まれるフィッシングの被害は14件(9・2%)だった。

 また、44件(28・8%)は、米マイクロソフトが昨年4月にサポートを終了した基本ソフト「ウィンドウズXP」を使用。ウイルス対策ソフトを入れていなかったケースも30件(19・6%)あった。

 ウイルス感染で目立ったのは、利用者が金融機関のページにログインすると「読込中です」という表示とともに、送金パスワードの入力を求める偽画面が出るケース。わなだと気付かずに入力してパスワードなどが盗まれ、不正送金に悪用される被害が相次いだ。

 セキュリティーの甘いパソコンが狙われる実態が浮き彫りとなっており、府警は、送金パスワードを安易に入力しない▽ウイルス対策ソフトを入れて、こまめに自分で最新バージョンに更新する-などの対策を推奨している。

 不正送金事件は全国では26年1~6月の上半期ですでに約18億5200万円に達し、過去最悪だった25年1年間の約14億600万円を上回った。
(産経新聞より)

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