【サッカーボール訴訟】子育てから認知症介護まで…判決の影響大きく

2015-04-10

 無条件に認められてきた子供の行為に対する親の監督責任について、最高裁は9日の判決で「危険性のない行為による偶然の事故について親は責任を負わない」と風穴を開けた。被害者救済に重きを置いていた監督責任をめぐる損害賠償の流れが、この判決を機に変わる可能性がある。

 子供に対する監督義務を定めた民法規定では、義務を尽くした親の賠償責任を問わないとする例外を設けているが、ほぼ無視されてきた。このため、子供による偶発的事故に関し、普通の子育てをしている親に責任を負わせてきた。

 今回の最高裁判決は両親について「危険なことをしないよう普通のしつけをした。結果の予測は不可能」と冷静に判断。一般的な子育ての実態と裁判実務の乖離(かいり)の修正を試みた。

 監督責任が問われる可能性があるのは子供の親だけではない。最高裁では現在、徘徊(はいかい)の症状がある認知症の高齢者が線路内に進入し、列車にはねられて死亡した事故をめぐり、事業者側が損害賠償を求めた訴訟が上告中で、介護現場の実態をどう見るのかが注目されている。子育てから認知症介護まで、周囲の人間はどこまで責任を負うべきなのか。今回の判決が与える影響は大きい。
(産経新聞より)

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